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2008年04月29日(火) 08時26分

ガソリン価格、160円突破濃厚 5月1日、即日値上げ大勢フジサンケイ ビジネスアイ

 新日本石油など大手石油元売り各社は28日までに5月出荷分のガソリンの卸価格を発表した。原油価格の高騰による引き上げは1リットル当たり5円前後で、これに30日の衆院での再可決で復活する暫定税率分の約25円を合わせると30円程度の値上がりとなる。全国平均の店頭価格は暫定税率の失効で130・6円まで値下がりしたが、5月は一気に160円を突破する可能性がある。

 ガソリンスタンド(GS)の店頭には5月以降も暫定税率が課せられていない安い在庫があるが、4月の税率失効時に税率が課せられた高い在庫を赤字で値下げしたGSが多く、今回は逆に5月1日からすぐに値上げするGSが多いとみられる。ただ、4月に赤字値下げを見送ったGSは在庫がなくなるまで安値を継続する可能性が高く、店頭価格がばらつき、消費者が混乱する事態は避けられない。

 元売り各社の出荷価格の引き上げ幅は、新日本石油が前月比3・7円、出光興産が7円、ジャパンエナジーは6円、昭和シェル石油が5・2円。暫定税率分を合わせると5月の店頭価格は「160円を超える可能性が高い」(新日石の中村雅仁常務)としており、昨年12月に記録した155・5円の最高値を更新するのは確実だ。

 最大の焦点は、値上げ時期。GSの店頭には平均で6〜9日分の在庫があるが、4月中に仕入れた安い在庫が残っていても、5月1日から値上げするGSが増えそうだ。総額で500億円と推計されている4月の値下げ時に被った赤字を埋め合わせする必要があるためだ。

 実際、全国で約420店を展開する独立系の宇佐美鉱油(名古屋市)は1日から約30円値上げする方針を決めている。

 ただ、元売り各社の出荷価格が異なるため、5月当初は大きなばらつきが出る。

 新日石は石油製品を貯蔵している油槽所からの出荷は4月に製油所から出荷された安い在庫がなくなるまで暫定税率の上乗せを見送る。これに対し、昭和シェル、出光とコスモ、ジャパンエナジーは油槽所からの出荷も1日から上乗せする。4月1日の値下げ時に、それぞれ逆の対応を取ったためだ。

 新日石の油槽所からの出荷は内陸部を中心に全体の約55%を占め、在庫は7〜10日分ある。この結果、内陸部の新日石系GSでは店頭在庫がなくなった後も、しばらくは安値販売が続く見通しだ。

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