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2008年04月29日(火) 20時48分

宮崎・高松・大阪 硫化水素自殺、全国で朝日新聞

 29日午後3時20分ごろ、宮崎県延岡市萩町のマンションの女子大学生(22)方で、浴室ドアに「硫化水素発生中。絶対に開けないでください」と書かれた張り紙を管理人らが見つけ、110番した。女子学生はすでに死亡しており、延岡署は硫化水素を発生させて自殺したとみている。

 調べでは、女子学生は一人暮らしで、浴室の内側からアルミサッシのドアに粘着テープが張られていた。浴室内には塩素系洗剤や入浴剤などの容器が残されており、調合してガスを発生させたらしい。部屋から遺書も見つかった。

 女子学生の知人から同マンションに「3日間ほど連絡が取れない」と連絡があり、管理人とオーナーが合鍵を使って入室し、異変に気づいた。

◆高松では20歳大学生

 29日午前10時55分ごろ、高松市藤塚町2丁目のマンション3階にある一室の玄関の壁に「硫化水素発生中」と書かれた張り紙がある、と110番通報があった。消防隊員らが調べたところ、内側から粘着テープで目張りされたトイレの中に、入浴剤と洗剤を混ぜた液体が入ったバケツがあり、そばで住人の男子大学生(20)が死亡していた。高松北署は硫化水素を使った自殺と判断。半径30メートル以内の住民ら約40人を一時避難させた。

 調べでは、居間から大学生が書いたとみられる遺書が見つかった。このマンションの所有者は28日午後1時ごろに異臭を感じ、29日朝もにおいが残っていたため、ガス会社に連絡して調べていた。

◆大阪でも35歳死亡

 29日午前9時15分ごろ、大阪府寝屋川市萱島信和町のマンション(6階建て)で、女性から「異臭がする」と110番通報があった。寝屋川署員と枚方寝屋川消防組合の救助隊員が2階の室内を確認したところ、浴室内で倒れている男性を見つけた。男性は約1時間15分後、搬送先の病院で死亡が確認された。男性のそばにトイレ洗浄液の容器があり、同署は硫化水素を使った自殺の疑いがあるとみて調べている。

 同署などの調べでは、男性(35)は一人暮らしの会社員。近くに住む母親が男性宅を訪ね、異臭に気づいたという。浴室のドアには「毒ガス発生中 注意」と書かれた張り紙があり、浴室の内側から粘着テープが目張りされていた。異臭騒ぎでマンション住人ら約30人が避難。その際、女児(2)が階段で転倒し、軽いけがを負った。現場は京阪萱島駅の北約100メートル。 アサヒ・コムトップへ

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