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2008年04月28日(月) 21時38分

<ガソリン>5月から卸値30円アップ…暫定税率と原油高で毎日新聞

 石油元売り各社は28日、ガソリンの卸値を5月1日から1リットル当たり30円前後引き上げると発表した。ガソリンにかかる暫定税率(1リットル当たり25.1円)が同日から復活する見通しになったことに加え、原油高に伴う調達コストの増加分を3.7〜7円程度上乗せするため。ガソリンスタンドでは、値上げ前の消費者の駆け込み需要が29日にもピークを迎えるとみられ、元売り各社はスタンドへのガソリンの配送作業などに追われている。

 調達コストの増加分として、出光興産が7円、昭和シェル石油は5.2円、新日本石油も3.7円を卸値に上乗せすることにし、暫定税率復活分の25.1円と合わせて30円前後の値上げとなる。

 石油情報センターによると、レギュラーガソリンの小売価格は4月21日の全国平均で1リットル=130.6円。卸値の引き上げが反映されれば、5月中には過去最高値(昨年12月の155.5円)を上回り、1リットル=160円を突破する公算が大きくなっている。

 値上げ前の駆け込み需要はすでに始まっているとみられ、出光は28日のガソリン出荷量が通常より約3割増えた。新日石も2割弱増加し、29、30日には4割程度まで増える見通しだ。ゴールデンウイークに入り、スタンドの品切れも懸念されることから、各社はタンクローリーの数を増やすなど配送体制を強化している。【谷川貴史】

 ◇政府が中小・零細のGS支援拡大

 政府は28日、ガソリン税の暫定税率失効と復活に伴う混乱で経営が悪化している中小・零細のガソリンスタンド(GS)の追加支援策を決めた。赤字のスタンドでも利子補給や債務保証の支援が受けられるなど条件を明確化し、対象を拡大した。

 政府はすでに、スタンドが金融機関から資金を借り入れる際の利子補給や、債務保証などの資金繰り支援策を打ち出している。だが、過当競争で「慢性的な赤字体質企業が7割」(自民党幹部)とされる業界からは、「赤字では支援が受けられないのでは」などの不安があった。

 追加支援策は、既存の債務を借り換える場合も支援の対象にし、利子補給は政府系金融機関などによる融資との併用を可能とすることも打ち出した。また、支援の原資となる経済産業省の外郭団体「全国石油協会」の基金370億円を、必要に応じて積み増すことを決めた。【坂本昌信】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080428-00000134-mai-bus_all