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2008年04月28日(月) 10時14分

どうなる、亀田一家!? 今週にも契約打ち切りへオーマイニュース

 亀田兄弟が協栄ジムについに見放される——。2007年の反則騒動から大きく揺れ動いてきたボクシング・協栄ジムと亀田興毅・大毅両選手の関係は、きょう28日以降に契約が打ち切られる方向が固まった。現在最終協議中という。

 協栄ジムの金平会長が、度重なる亀田一家の暴走を我慢していたことは周知の事実である。我慢の理由は亀田兄弟が金のなる木であったからだ。大毅の内藤大助選手への反則行為後には世間のバッシングがやりのように降りそそいだが、それでも金平会長はじっと耐えていた。

 しかし、結局、反省の色がない亀田大毅は当然の事、長兄の興毅も3月のノンタイトル戦後はジムに一度も顔を出す事もなく、金平会長の堪忍袋の緒が切れた格好だ。

 興毅は3月の試合に勝って、今後は再度ノンタイトル戦を挟んで、年末にもタイトルに挑戦するつもりであった。だが、世界ボクシング協会(WBA)には同門の坂田がチャンピオンとして君臨していて、金平会長は坂田とのタイトルマッチには慎重であり、世界ボクシング評議会(WBC)のチャンピオン内藤は、興毅との対戦を望んでいない。

 タイトル戦もなく、自由にマッチメークもできない現状では金にならないと不満を募らせていた亀田家と、反省の度合いを見ながらチャンスを与えようと考えていた金平会長との間にできた溝は、結局一度も埋まる事がなく、決裂した。

■八方ふさがりの亀田一家

 さて、現在、あいだに弁護士が入って交渉しているようであるが、この後、亀田家はどうなるのか? 交渉が決裂し、解雇されるしか道は残っていない。

 この解雇であるが、ボクシング界ではジムに所属していないと試合を行う事ができない。業界の雄である協栄ジムに反旗を翻して解雇された場合、ほかのジムは手を出す事はできない。万が一、手を出すジムがあってもタイトルマッチのマッチメークはできないであろう。そうなると海外に拠点を移し、海外ではい上がるしかない。

 だが、ご存じのとおり、大毅は当然、興毅もボクサーとしては完成していない。長年、国内で楽な相手と楽な試合をこなしていたために、海外では強豪を相手に負けがこむ可能性が高い。

 もはや、進むも地獄、退くも地獄の段階に突入した訳だ。それに、大人たちの金銭に絡んださまざまな思惑が交錯し、八方ふさがりになっている。

 内藤戦後、初心からスタートしていれば、興毅は夏にも内藤戦が行われる可能性が高かった。大毅も秋に復帰し、来年中の日本タイトル奪取を目標にし、再来年には東洋太平洋タイトル、そして数年後には世界タイトルとステップを踏める可能性も十二分にあった。しかし、今回の内部衝突によって、すべてのもくろみは泡と消えた。

■業界の改革に期待

 一方で、このような問題が発生するのは、そもそもボクシング界の仕組みに問題があると思う。基本的に、興行や契約の何から何まで所属するジムに権限があるが、実際の権利関係の整理がなされていない。そのため、亀田家のような管理不足による問題やマッチメークの不透明さの問題が発生するのだ。

 業界が抱える諸問題は、フェアではない採点問題、業界と暴力団関係者とのズブズブの関係、試合中・試合後の死亡、後遺症問題、スポーツと興行とのバランス問題など、多岐にわたっている。

(ただし、このうち暴力団との関連については、2007年4月に警視庁と合同で、試合会場から暴力団関係者の排除声明を発表している。また、後遺症についても、ほかの格闘技よりはボクシング界は選手を大事にしているといえる)

 JBC(日本ボクシングコミッション)は、この亀田兄弟解雇問題を契機に、組織やルール等の改革を急いでもらいたい。

(記者:太刀川 洋平)

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