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2008年04月27日(日) 01時13分

相次ぐ硫化水素自殺 4月はすでに50件超す産経新聞

 26日午後6時15分ごろ、横浜市青葉区新石川のマンションで、「異臭がする」と警備会社から119番通報があり、駆けつけた消防隊員がマンション4階の浴槽内で、高校3年の男子生徒(17)が倒れて死亡しているのを発見した。洗面所のドアには「危険、硫化水素発生中。絶対に開けないで」と書かれた紙が張られ、室内から硫化水素を検出。ドアは粘着テープで目張りがされていたことなどから、神奈川県警青葉署は自殺とみて調べている。異臭でマンションの住民約50人が近くの大学の建物などに一時避難した。
 また同日午後6時20分ごろ、埼玉県越谷市七左町の病院駐車場で、乗用車内で男性が死んでいるのを巡回中の県警越谷署員が発見した。東京都文京区の職業不詳の男性(36)とみられ、車内からトイレ用洗剤と入浴剤の空容器が見つかった。同署は硫化水素を発生させ自殺を図ったとみて調べている。一方、同日午後1時15分ごろ、大分県別府市の民家から「異臭がする」と通報があり、駆け付けた消防隊員が2階のトイレで、この家に住むパートの女性(31)が死亡しているのを発見。別府署は硫化水素による自殺とみている。
 硫化水素による自殺は4月に入ってから全国で急増。警察などの発表によると、2月、3月は3〜4件だったが、4月はすでに50件を超えた。自室やトイレ、車内などで洗剤類を混ぜてガスを発生させる方法が多い。近隣住民や現場に駆けつけた救急隊員らが、ガスで不調を訴えるなどの巻き添え被害も拡大しており、総務省消防庁は「腐った卵のような異臭を感じたら避難してほしい」と注意を呼び掛けている。

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