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2008年04月26日(土) 07時07分

GWガソリン値上げ目前 駆け込み満タン次々 「すぐ上げたい…でも無理」 スタンド嘆き節西日本新聞

 揮発油税の暫定税率が30日の税制改正法案の再議決で5月1日にも復活し、ガソリン価格の値上げが見込まれる中、ゴールデンウイークを前にした25日、九州各地では行楽と値上げに備えて早くも満タン給油するドライバーが見られた。3月末の買い控えに始まったガソリン狂騒曲も最終章へ。ただし、スタンド側はいつ値上げするのか頭を悩ませている。

 北九州市八幡西区のスタンドで、店員に満タンを注文した同区の公務員小田原誠一さん(45)。「連休中は大分などに出掛けるので、今のうちに給油しておきたい」と話し「値下がりした今月は夢のようだった」と、短期間に感じた安価との“別れ”を惜しんだ。

 福岡市中央区のスタンドを訪れた主婦(36)は「週末にドライブするため給油した。連休の後半も出掛ける計画なので、量は少なくても月内にもう一度入れる。どうせなら値段は連休後に上がってほしい」と願う。

 与党は同日、暫定税率を5月1日に復活させる方針を表明。復活してもスタンドの地下タンクなどに残る在庫のガソリンに暫定税率はかからないが、在庫がなくなれば値上げになる。

 ただし、安さを体感したドライバーの反発が店側には心配だ。北九州市八幡西区のスタンド営業部長は「値上げ直前は駆け込み客が殺到するだろうし、その後も混乱が予想される。値上げ時期も説明できない状況で、頭が痛い」と顔をしかめた。

 福岡市中央区のスタンドの男性マネジャー(32)は「無理して値下げした4月は相当な赤字。税率が復活したら、在庫があってもすぐに値上げして赤字を帳消しにしたい」と本音を語るが「客離れを考えると、無理でしょう。値上げは他店の動きを見ながら判断するしかない」と戸惑っている。

=2008/04/26付 西日本新聞朝刊=

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080426-00000010-nnp-l40