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2008年04月26日(土) 16時23分

<硫化水素自殺>「腐敗臭の煙」悲劇(2) サイン気付いて毎日新聞

 自殺の連鎖はどうすれば止められるか。国を挙げての対策が成果を上げたフィンランドでは、遺族からの大規模な聞き取り調査の結果、自殺者の85%が精神疾患状態にあったとされる。昨年6月に策定された国の自殺総合対策大綱は「自殺は個人の自由な意思や選択の結果ではなく、心理的に追い込まれた末の死である」と指摘する。

【続き】 硫化水素自殺:「腐敗臭の煙」悲劇(3止) 発生源、近付かないで−−無色の有毒ガス、階下に影響も

 日本自殺予防学会の斎藤友紀雄理事長は、家族などが自殺の前兆を見逃さないよう呼び掛けている。「摂食障害やアルコール依存、睡眠障害などの身体症状が必ずある。周囲が受け止めれば防げる場合もある」という。

 自殺予防総合対策センターの松本室長は「今は山火事が起きた状態で、まず火を消す対策が必要」と訴え、「自殺に使われる商品の製造・販売・保管にかかわる人たちの協力が求められないか」と提案する。

 80年代後半、麻薬に似た成分が入ったせき止めシロップの多量服用による中毒が多発した際は、国内の製薬会社が成分を変えた。

 松本室長は「一時的に製造・販売の中止や制限も考えられる。家庭でも、危険性のある商品を保管しないようにすれば水際対策の効果はある」と話す。

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