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2008年04月26日(土) 01時44分

「健全なPC・携帯サイト」を認定する民間機関が発足ITmediaニュース

 健全なPC・携帯電話サイトを認定する民間機関「インターネット・コンテンツ審査監視機構」(I-ROI)が4月25日に発足した。国際的に通用する認定基準を策定し、認定されたサイトにマークを発行。有害サイトをフィルタリングする際の基準にしてもらう狙い。代表理事は相磯秀夫・東京工科大学学長が務め、設立委員会にはNTTドコモの夏野剛執行役員や慶応義塾大学教授の村井純氏などが名を連ねている。

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 認定は9月をめどに始める。認定基準は、学識経験者や有識者が年齢や利用シーン別に策定。デジタルメディア協会が4年にわたって行ってきた、ネットコンテンツに関するガイドライン研究成果も踏まえ、国際的に通用する基準策定に取り組むとしている。青少年や保護者・教師向けに、ネット利用に関するシンポジウムを開くなど、教育・啓発活動にも取り組む。

 設立メンバーには、NTTドコモの夏野剛執行役員、慶応義塾大学の中村伊知哉教授、コーエーの襟川恵子名誉会長、出井伸之元ソニー会長、角川グループホールディングスの角川歴彦CEO、一橋大学の堀部政男名誉教授などが参加する。

 健全なサイトを認定する機関としては、携帯サイト専門の「モバイルコンテンツ審査・運用監視機構」(EMA)が4月8日に発足したばかり。EMAはPCサイトの認定は行わないが、活動内容はI-ROIとほぼ同じだ。

 代表理事の相磯氏は「より良い制度が作られるためには、それぞれ特色を持った第三者機関が複数あることがむしろ望ましい。今後はある特定の分野のサイトについて認定するような機関が出てくるのでは」と話す。

 携帯サイトのフィルタリングは、総務省主導で検討が進められ、4月から18歳以下か携帯電話を新規契約する際へ原則フィルタリングサービスを適用することが義務付けられた。与野党も、青少年に有害な内容のサイトの閲覧を制限する法案の成立を目指している。

 中村伊知哉氏は「国がネットの有害情報を規制するのではなく、民間の力を使って安心なネット社会を作ることが重要だろう。国がI-ROIの活動をサポートしてくれるなら大歓迎だが」と話す。ドコモの夏野氏は「携帯の使われ方は日本が一番進んでいるので、世界の見本となるような認定の仕組みを作っていきたい」とした。

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