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2008年04月26日(土) 20時07分

聖火リレーって一体何だ!?いつの時代も「平和の象徴」であることを願うオーマイニュース

 長野での聖火リレーが終った。

 これほどまでに感動しなかった聖火リレーは初めてである。何事もなく無事に終ることだけを願った人も、多いことだろう。しかし、すでにご承知のように、トラブルも起きた。

 この写真は、1964年9月9日に撮影された。

 当時、高校2年生であった私の叔父は、東京オリンピックの聖火ランナーとして、宮崎のゴールとなった宮崎神宮に聖火を運んだ。

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 東京オリンピックでは、ビルマ(現ミャンマー)、マレーシア、タイ、フィリピン、沖縄(当時はアメリカ合衆国の占領下)など、第二次世界大戦で旧日本軍が戦場として戦った地域を通り、平和のための聖火リレーを印象づけた。

 日本の平和ぶりを象徴するために、聖火リレーが政治的に利用されたといえばそれまでだが、私たち庶民にはそんなことは関係ない。当時3歳だった私は、家族と一緒に宮崎神宮に出かけ、日の丸の小旗を振り、聖火を手にした叔父を見ていた。幼少だったためはっきりと覚えていないが、いつも父母からそう言い聞かせられていた。

 1964年、世界は決して平和ではなかった。

 中国とフランスが国交樹立(1月)、パレスチナ解放機構 (PLO) 設立(5月)、韓国で朴正煕大統領政権に反対する大規模デモ発生、戒厳令発布(6月)、「新潟地震」発生、死者26人(6月16日)、トンキン湾事件発生(8月)、中華人民共和国が自国のロプノール湖で初の核実験を行う(10月)……。

 44年経った今でも、世界各地では民族の対立、内乱、貧困、人権問題等、平和ではない国も多い。

 また、民族主義の台頭により、自分の国を愛する民族が増えてきたのは良いことだとは思う。しかし、暴力による妨害活動は、どのような場合でも許されるべきものではない。

 1964年当時の写真には、物々しい警備はなく、聖火ランナーの背後には、当時を明るく過ごす庶民の姿が映し出されている。

 4年後のロンドンオリンピックでは、どのような聖火リレーを見ることができるのだろうか。いつの時代でも、聖火は「平和の象徴」、オリンピックは「平和の祭典」である。そう願いたい。

(記者:大谷 憲史)

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