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2008年04月26日(土) 18時34分

<聖火リレー>「市民」「長野」の存在感なし、中国人が「仕切った」到着式オーマイニュース

 長野市で行われた聖火リレーは26日午後0時半、最終ランナーとなった野口みずき氏がゴール地点の若里公園に到着。リレー途中では乱入者や、ランナーに卵を投げつけた男が逮捕されるなどのハプニングはあったものの、聖火は無事、若里公園内の聖火台に掲げられた。

機動隊員が警備するチベットの旗を持った一群、距離をおいたところには中国人グループ、など到着式のほかの写真をみる

■トラブル続出、逮捕者も

 朝6時半すぎ、聖火リレーのスタート地点付近では、早くもチベット支援日本人をめぐって小競り合いがあったが、この少し前にも、長野駅前などで、中国人グループと日本人グループがもみ合い、けが人も出たもようだ。

 午前8時半に長野県庁北側の勤労者福祉センター跡地を出発した聖火は、警察官などに囲まれて市内を進んだが、途中、タレント・萩本欽一氏がランナーをつとめた際、沿道からビラの束が投げ込まれたり、別の日本人男性がコースに飛び出して逮捕されたり。卓球の福原愛選手がランナーをつとめた際には、チベット難民2世の男性がチベットの旗を持って飛び出し逮捕。

 折り返し地点である「エムウェーブ」近くでは、卵を投げてコースに飛び出した日本人男性が逮捕。終着地点の1500メートルほど手前の路上でも、日本人と思われるグループが中国人から国旗を奪い取るなどの挑発行為を行った。

■事実上、中国人が「仕切った」到着式

 本格的に雨が降り出す中、終着点の若里公園には、主に中国人グループと支援者らがつめかけた。中国旗を掲げた一群は到着式典が行われるステージの周囲に、チベットの旗を掲げた一群は、ステージから300メートルほど離れた場所に“隔離”された。

 ステージ周辺は、日本への留学生と思われる若い中国人たちががっちりガード。ステージ側を向く中国人集団の最後尾だけは、互いに腕を組んで国旗や横断幕を掲げ、ステージとは反対方向を向いて気勢をあげる。チベット支援者どころか、ただ聖火リレーを見物したいだけの一般市民すらも、ステージ前に近づけない(もっとも、日本の一般市民と思われる人の姿はほとんどなかった)。記者も、中国人集団に阻まれ、ステージに近づけないばかりか、ステージなどの様子を映しているらしきモニター画面すら見えなかった。

 スクラムを組んだ中国人の若者たちは、国歌などを歌ったり「中国がんばれ!」などのシュプレヒ・コールをあげる。それが、何人かの号令に従ってすべてがスムーズに行われている様子は、まるで組織的に動員されているかのようだ。

■人民の人民による人民のための……

 聖火が到着すると、雨が一段と激しくなった。しかしステージ司会のマイクの声は、こちら側までほとんど届いてきておらず、中国人集団に阻まれてステージも見えない。いつの間にか聖火が到着したらしく、大きな拍手と中国語の歓声があがる。しかし何も見えない。いつの間にか聖火台に着火されたようで、再び歓声があがるが、中国人集団のすき間からステージが一瞬見えたときには、もう聖火台に点火された後だった。

 そのまま、誰やらわからないおじさんたちの挨拶がステージ上で始まったが、挨拶する人物の名前も挨拶の内容も聞き取れない。それは記者の周囲の中国人たちにとっても同じはずだが、どこからか拍手や歓声があがると、みなそれに倣って歓声を上げる。式典の中身がわからなくても、盛り上がりどころとなれば、とりあえず盛り上がる、という感じに見える。

 ばかばかしくなって、早々にステージ前を離れた。結局これ、「中国人民の中国人民による中国人民のための聖火イベント」でしかないのではなかろうか。

 聖火の到着式が完全に終了した後の午後3時ごろ、先ほどまで本降りだった雨が上がり、わずかだが晴れ間も見えてきた。長野の空も、このイベントを歓迎していなかったということだろうか?

(記者:藤倉 善郎)

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