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2008年04月25日(金) 08時02分

長野市に脅迫メール「硫化水素をまく」…26日聖火リレースポーツ報知

 長野市で26日に行われる北京五輪聖火リレーに関連し、同市に「硫化水素をまく」との脅迫メールが送られていたことが24日、分かった。メールは「市長」宛(あて)で、差出人などは一切書かれていなかったという。同市役所にはこれまで、リレーへの妨害予告や中止勧告などのメールが360件送られている。同市はリレー当日、庁舎内に災害時以外では異例となる危機警戒本部を設置。長野県警も、聖火ランナーに伴走する機動隊員を数人から10人に増やすほか、聖火周辺を常時ビデオ撮影することを決めた。

 深刻なテロ予告か、悪質ないたずらか。長野市役所に「硫化水素をまく」との脅迫メールが送られてきたのは、先週のこと。宛先は「市長」。差出人も不明で、ほかに具体的な内容は書かれていなかったという。

 秘書課を通じてメールを受け取った危機管理防災課は「信ぴょう性は不明」とみているが、同様の脅迫メールが約10件寄せられていることから、長野県警とも情報を共有。同課は「中国のブログなどで爆破予告などが書き込まれているものも日本語に訳して把握している」と話した。

 市広報課によると、リレーへの妨害予告や中止勧告などのメールは、23日現在で360件来ている。多い日には、約100件のメールが寄せられたという。

 市はこの日、リレー開催にあたり「市民の生命・身体等を脅かす恐れがあり被害が予想される」として、レベル2(被害の拡大や重複等により危機の拡大が予想される場合)の危機警戒本部を設置することを明かした。

 これまで、災害時などに同本部を設置することはあったが、事前準備として設置するのは初めてのことだという。レベル2は3段階あるレベルの真ん中で、主に市役所の部局をまたがって対応する事案に適用される。リレー中は、16か所に一時避難所を準備するなど万が一の事態に備える。

 鷲沢正一市長はこの日の定例会見で、混乱の中で行われる聖火リレーについて「どういう危険があるかは、だれにも分からない」と述べた。

 一方で、著名人の走行区間も明かされず、厳重な警備で沿道からランナーが見えないなど、“市民不在”のリレーとなることについては「残念というしかない。ただ、現状の諸情勢を考えると、そうせざるを得ない」と強調。市民からは「これではリレーをやる意味がない」との声が出ていることに対しては「その方に『じゃあどうするんですか』と聞きたい。(リレーを)やめれば、国際的な問題が引き起こされる」と話した。

 安全確保を最優先に、警察当局が3000人を超える厳戒態勢で警備に臨む26日。長野県警はランナーの周囲を走る機動隊員を数人から10人に増やし、聖火周辺を常時ビデオ撮影することも決めた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080425-00000094-sph-soci