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2008年04月25日(金) 18時43分

「たまごが腐ったような臭いがした」 異臭騒ぎでホテル側会見オーマイニュース

 25日午後1時ごろ、東京・有楽町のホテル「ザ・ぺニンシュラ東京」(千代田区有楽町1-8-1、総支配人:マルコム・トンプソン)で有毒ガスと見られる異臭騒ぎがあった件で、同4時すぎ、ホテル側では、佐野知夏・広報マネージャーと危機管理を担当する山下淳二・アシスタントマネージャーの2人が会見に応じた。

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 ホテル側によると、同日午後12時50分ごろ、10階の受け持つ客室係(30代、男性)が同フロア内での異臭に気づいた。客室係は山下氏に通報。その後、駆けつけた山下氏が「異臭がする」という客室内を開けると、入口付近に置かれた椅子に

 「硫化水素による自殺のため入室にあたっては注意してください」

と、鉛筆で記されたメモ(A4の紙)が立て掛けられていた。それを見た山下氏は「怖くなって」すぐにドアを閉めた。このとき、「たまごが腐ったような臭いがした」という。そして、12時58分に110番通報をした。ホテル側は宿泊客の安否は確認していない。

 また、東京消防庁の指導により、宿泊客の安全確保のために、10階とその直下、直上、さらに「ガスが下に溜まるおそれがある」として、8階の客室の宿泊客を対象に避難誘導をした。この際、館内放送は行わなかった。対象となったのは28室だが、チェックアウトを過ぎた時間だったために、実際に宿泊していた客は8階の2人。館内放送をしなかった理由について、

 「システムとして該当する階だけに放送することは可能。しかし、館内放送をする場合は、全体の避難が必要な時にしている。今回は、(8階に)2人だったこともあり、放送をせず、ホテル関係者が直接誘導することができると判断したため」(山下氏)

としている。

 自殺をはかったと見られるのは日本人の47歳の男性。常連客ではなかった。宿泊していた部屋は、10階の西側にあるデラックス・スイートルーム(116平方メートル)で、浴室を含めて4つの部屋に区切られている。1泊14万円。

 インターネットができる環境であったが、男性が客室内でインターネットをしていたかどうかは不明。ホテルのチェックアウト時間は正午だったが、客室の外にある「プライベートプリーズ」のランプがついていた。

 「(チェックアウトの時間を過ぎていたが)まだ午後1時になっていなかったために、客室に確認の電話はしなかった」(佐野氏)

 午後2時15分、東京消防庁がホテル関係者立会いの下で、避難対象になった客室階の硫化水素の濃度検査を実施。人体に影響がないと確認され、避難をした宿泊客は客室に戻った。ただ、異臭がした10階について同日は使用しない。同日10階に宿泊予定だった宿泊客は他の階に移動する。ただ、すぐに利用できるように対応することにしている。けが人や気分が悪くなった人は、ホテル客や従業員にはいなかった。

(記者:渋井 哲也)

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