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2008年04月24日(木) 12時24分

50人が体育館で一夜明かす 高知・硫化水素自殺産経新聞

 防護服姿でボンベを背負い、現場に突入する消防隊員。頭痛を訴え病院に搬送される人も。23日夜に高知県香南市の市営住宅で起きた異臭騒ぎで静かな住宅地は騒然となり、体育館に避難した住民は不安な一夜を過ごした。

 自殺したとみられる少女が住んでいた市営住宅は5階建ての住宅が2棟あり、58世帯184人が居住。午後8時半前には、消防が住民に避難を指示した。

 4階に住む北村幸さん(35)は午後8時ごろ、消防車のサイレンで騒ぎに気づいた。窓を開けると強烈な硫黄のにおい。「避難、避難」と叫ぶ声がし、急いで荷物をまとめ、家族を連れて家を出た。

 住宅は24日朝まで2棟とも立ち入り禁止に。敷地内の駐車場や通用路も封鎖され、市営体育館に押し寄せた住民は一時、約120人になった。うち約50人が差し入れの毛布にくるまり、一夜を明かした。

 一方、少女が通う香我美中は同日午前8時半から全校集会を開き、成岡昌宏校長が生徒らに事情を説明。同じクラスの女子生徒(14)は「冗談を言う面白い子だったのに」とぼうぜん。少女は今月数回しか登校しておらず「理由を聞いても教えてくれなかった」と肩を落とした。

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