記事登録
2008年04月24日(木) 20時01分

本村さん「判決に救われた」=月刊誌に手記−光市母子殺害時事通信

 「多くの思いが込み上げ、目をあけることも、声を発することもできなかった」。山口県光市の母子殺害事件の遺族本村洋さん(32)が事件からの「9年間の闘い」をつづった手記が、26日発売の月刊誌「WiLL」(ワック・マガジンズ)に掲載される。本村さんは、広島高裁の差し戻し控訴審判決で当時18歳の元少年(27)に死刑が言い渡された瞬間をこう記している。
 手記は400字詰め原稿用紙50枚、誌面では22ページに及ぶ。
 妻弥生さん=当時(23)=と長女夕夏ちゃん=同(11カ月)=を殺害した罪に問われた元少年の死刑判決を求め続ける中、「くじけそうになった時、必ず事件現場に足を運び、自分自身を奮い立たせてきた」という。
 元少年は差し戻し審で殺意を否定、弥生さんと夕夏ちゃんを殺した瞬間を記憶にないと述べた。本村さんは「絶望した。彼にはもう反省のしようがないことを悟った」とした。
 差し戻し審判決については「救われた」とし、元少年に「本当に罪を悔いているなら、残された生の中で、そのことを社会に発信してほしい」と呼び掛けた。 

【関連記事】 「真実を述べてきた…」=判決後の元少年-極めて不当と弁護団・光市母子殺害
【関連記事】 9年の歳月…正しい判決=本村さん、高裁判断に「心から感謝」-光市母子殺害
【関連記事】 光市母子殺害関係・識者談話
【関連記事】 上告審途中で就任=法廷外から懲戒請求も-弁護団・光市母子殺害
【関連記事】 元少年「生きて償いたい」=死刑回避、自ら主張-光市母子殺害

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080424-00000121-jij-soci