記事登録
2008年04月24日(木) 00時00分

米産牛、危険部位混入 「吉野家」埼玉の工場で発見読売新聞

 厚生労働省と農林水産省は23日、輸入された米国産牛肉に、BSE(牛海綿状脳症)の病原体が蓄積しやすい特定危険部位の脊柱(せきちゅう)が混入していたと発表した。

 特定危険部位が見つかったのは、2006年7月に米国産牛肉の輸入が再開されてから初めて。市場には出回っていないが、両省は22日に米政府に調査を要請、輸出した米カリフォルニア州の工場からの輸入を一時停止する措置をとった。ダイエーなど一部の小売店も同工場からの牛肉を一時撤去する方針を決めた。

 問題の牛肉は、伊藤忠商事が昨年8月、ナショナルビーフ社カリフォルニア工場から輸入。牛丼店を展開する吉野家が購入し、埼玉県内の工場に保管していた。同社社員が今月21日夕、バラ肉として買った700箱(約17トン)の中に骨付きの腰部の肉が1箱(約27キロ)混じっているのを見つけた。

 脊柱は除去することが日本の輸入条件となっており、連絡を受けた両省が22日に米国大使館に問い合わせたところ、日本向けではない肉が誤って混じったとし、原因を調査中という回答が23日にあった。吉野家は、念のため残る699箱は使わないが、営業は通常通り続けるとしている。

 脊柱混入は06年1月にも発覚。この時は脊柱などの部位名が書かれた米政府発行の証明書が付いており、両省は「日本の輸入条件を米側が理解していない」として全面輸入禁止措置を取った。今回は「工場側の単純ミスとみられる」として全面輸入禁止は想定していないが、米国産牛肉の輸入検査を強化する方針。

 日本は輸入再開した06年7月以降、米国から約5万9000トンの牛肉を輸入。このうちナ社の同工場が約1万1000トン(約19%)と最も多い。米国産牛肉は、日本の牛肉輸入量の約7%を占める。

http://www.yomiuri.co.jp/gourmet/news/20080424gr03.htm