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2008年04月24日(木) 18時42分

「男は料理をするな」が伝統 インドネシアのシェフ事情COURRiER Japon + hitomedia

一流シェフを目指すインドネシア人にとって、夢へのいちばんの近道はシンガポールの料理学校への留学だろう。インドネシアでは、そもそも「料理は女性がするもの」という風潮がいまだ残っており、シェフになりたいという男の子を、親はまず快く思わない。最近はメディアの影響でその風潮も変わりつつあるが、ジャカルタにあるまともな料理学校はわずか2校だけだ。
一方で、シンガポールは料理学校が充実している。ラッフルズ・アカデミーをはじめ料理専門学校がたくさんあるほか、ホテル専門学校でもカリキュラムの一部に料理コースが組み込まれている。しかも、通常の料理だけでなく、製菓、アジアン料理などさまざまなコースが用意されているのだ。
シンガポールの料理学校サンライズ・アカデミーに通うインドネシア人のジャソンは、25か国から集まっている220人の同級生とともに料理を学んでいる。ここの生徒の半分以上は外国人で、25%はインドネシア人だ。昨年はインドネシア人の学生が同校の代表としてワールド・グルメ・サミットに参加している。
シェフを育成することにおいては、アジアのなかでもシンガポールとタイが進んでおり、インドネシアの料理学校は設備、カリキュラム、経営方針などすべての面で後れをとっている。実際、シンガポール料理とインドネシア料理に大きな違いはないが、シンガポールはそれを現代風にアレンジして、国際レベルの料理を出すシェフを次々と輩出している。
若者がシンガポールでシェフを目指すのは、同国での待遇の良さからだ。給料はインドネシアの一般的な公務員の約85倍にも達するという。しかも、シンガポールはこの先2年間でホテルやレストランが増え続け、さらに2000人のシェフの需要が見込めるといわれている。

テンポ(インドネシア)より

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080424-00000000-cou-int