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2008年04月23日(水) 00時00分

国交省キャリアを再逮捕へ 広島の業者からも収賄の疑い朝日新聞

 国土交通省キャリア技官の汚職事件で、国営沖縄記念公園事務所の元所長上島(うえしま)晃嗣容疑者(53)が、同事務所発注の防水工事をめぐって便宜を図った見返りに広島市の業者からも現金数十万円を受け取った疑いが強まり、大阪地検特捜部は23日にも新たな収賄容疑で上島容疑者を再逮捕する方針を固めた。

 調べによると、上島容疑者は所長だった04〜06年、園内の各種施設の防水工事に防水資材卸売会社「カワタ」(奈良県大和郡山市)が特許権をもつ特殊工法「ジェットスプレー工法」を採用。工事発注先の元請け業者に対し、広島市にあるカワタ代理店の防水工事会社を下請けに入れるよう指示するなどの便宜を図った見返りに、この代理店の社長(63)から数十万円を受領した疑いが持たれている。

 この代理店は91年設立。関係者によると、社長は上島容疑者が旧建設省時代の国営備北丘陵公園(広島県庄原市)の工事事務所長だった90年代半ばから交流があったという。代理店は05〜06年に沖縄記念公園の防水工事を少なくとも6件下請け受注し、カワタから資材を購入していた。

 上島容疑者は今月3日、カワタ会長の河田良人容疑者(55)=贈賄容疑で逮捕=から、特殊工法を採用するなどの見返りに約360万円を受領したとされる収賄容疑で再逮捕された。すでに国営飛鳥歴史公園事務所(奈良県明日香村)の発注工事をめぐる競売入札妨害や100万円のあっせん収賄の罪で起訴されている。

http://www.asahi.com/kansai/kouiki/OSK200804230006.html