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2008年04月23日(水) 16時34分

自分のDNAを「見える化」してみよう〜佐藤義典コラムオーマイニュース

■DNAは幼少期にある

 自分のキャリアは何らかの選択の結果ですよね。

・どんな会社を受けるか?
・受かった会社の中からどの会社を選ぶか?
・どんな仕事を楽しいと思うか?
・どんな仕事の仕方をするか?
・その会社に勤め続けるか、転職するか?

などなどの数々の選択をした結果が今のはずです。そしてその選択の多くのものが、無意識のものだと思います。そもそもどんな業種や会社に興味を持ったのか、などは「好みの問題」ですよね。

 そのような「好み」や「何を快適と思うか」などの多くは無意識ですから、自分で明示的に把握しづらいのです。しかし、そのような「自分のDNA」を知らなければ、自分が何をしたいのかがわかりません。

 自分のDNAを知るためのツールが、「自分の幼少期を知ること」です。自分はどんな子供で、どんなことに熱中していたのか、ということに、現在の選択のヒントがあります。人間はそう大きくは変わらないものです。子供の頃の原体験などが、現在の価値観・好み・意思決定に大きく影響を与えているのです。

 前回キャリアの棚卸しをしましたが、同じ要領で、自分の子供時代を振り返ってください。子供の頃、どんなことに熱中したか、どんな遊び方をしたか(1人遊びが好きか、リーダーだったか、遊びを作り出すクリエーターだったか)などですね。少々気恥ずかしいのですが、私の場合は添付の写真のような感じです。

 自分で数年前に初めてこれをやったときにはびっくりしたのですが、子供のときから同じようなキーワードが繰り返し出てきます。

・幼少期:1人遊びが好きだった
・卓球部:1人でできるスポーツ
・ディベート:1人でできる勝負

など、「1人でできる」というのが私のDNAのようなのです。私は、

・1社目:30万人の会社
・2社目:1000人の会社
・3社目:20人の会社
・4社目(現在):1人の会社

と、転職を繰り返す毎に、会社の規模が小さくなっています(その分肩書きは上がっていますが)。常に「この会社は大きすぎてやりづらい」と思い、小さい会社へと転職を繰り返し、結局「1人で思い通りにやりたい」と独立したわけです。

 恐らく、その背後には幼少期からの「1人で勝手気ままにやりたい」という性分が影響しているのだと思います。

 つまり、人間の性分は幼少期からそう大きくは変わらない、ということであれば、自由に行動できた幼少期などの自分の行動に、自分の本性が隠されているのではないか、ということです。だから、自分を知るには幼少期の行動まで遡れば、結構自分の本質がわかるものなのです。

■DNAを探すには、親や友人に聞いてみよう!

 中学生以降くらいになってくると、自分の行動を論理的に説明できますが、それ以前のことになると、忘れてしまっているでしょうし、客観視しにくいです。自分の幼少期をもっともよく知っているのは多くの場合は家族、特に両親です。

 ですから、自分が子供の頃のエピソード(恥ずかしいことも含めて)をぜひ両親に聞いてみましょう。親というのは、自分の子供を結構客観的に見ているものです。自分のルーツというか、自分のDNAのようなものがわかると思います。

 そして、そのような特徴的なエピソードから、自分を貫くキーワードのようなものを見つけてみましょう。

 私の場合は前述の「1人」ということに加え、高校生以降は「勝つ」「戦略」というところに自分の興味が傾いています。結局、その「戦略」に対する意識のようなものが、現在の「マーケティング戦略のコンサルタント」に結びついているのだと思います。

 私が現在「1人で戦略コンサルタントをしている」ということは、昔を振り返ってみるとよく筋が通っているわけです。そのような意識をもって現在の職業を選んだのではありませんが、過去の自分の行動から説明できるものだったのです。

 逆に、自分の「昔」のキーワードと今のキャリアが乖離している場合、それで幸せなら構いませんが、何らかの葛藤が生じている場合、その「本来の自分」と、「今の自分」とのギャップに何かのヒントがあるかもしれませんよ。

 仕事に悩むことがあったら、また、キャリア戦略を考えるにあたっては、ぜひ昔の自分をよく知っている両親などと、昔話をしながらじっくりと「本当の自分」を見つめ直してみませんか?

(記者:佐藤 義典)

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