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2008年04月23日(水) 10時42分

アースデイ東京2008開催オーマイニュース

 「私たちは今、地球に対して、何をしなければならないのだろうか?」「行動です!」

 ステージ上でパネルディスカッションをしていた方の言葉に耳が大きく反応した。そしてそれが解決方法の一歩となるということを、あらためて知ることができた。

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 東京・渋谷区の代々木公園で4月19・20日の2日間「アースデイ東京2008」というイベントが行われた。テーマはずばり「地球」である。数百を超すブースが園内に設けられ、その1つひとつが地球に対して考えさせられる場である。

 「今、地球で何が起こっているのだろうか」
 「今、私たちは何をしていかなければならないのだろうか」
 「これからの地球はどうなっていくのだろうか」

 地球というテーマは正直あまりにも大きいことが分かる。地球温暖化という定着した言葉は、今や多角化しており、その影響は、ありとあらゆるところに波及をしている。私などはもっぱら、二酸化炭素を減らすことだけに取り組めばいいいとしか思っていなかった。浅はかな自分が今まで思っていたことはとても浅いものだと思い知らされ、ここのイベントで大きく覆されたように感じる。

 二酸化炭素の増大、貧困、食糧危機、難民、子どもの教育、動植物への影響、海の変化……。

 地球温暖化という言葉は、今や1人歩きできなくなり、そこには、このような問題を含みながら歩いている。そしてそれは今も増え続けており、新たな問題が後を絶たないのが現状である。どのブースを回ってみても、それはもう人ごとではなく、私たちは今こそ行動していかなければならないという危機感を持たせてくれるものばかりであった。

 ブースのあちこちには写真が飾られており、目をおおいたくなるものも数多く存在する。心が痛み、涙を流してしまいたくなるようなものばかりであった。その中でも私が一番印象に残っているものがあった。動物への影響について展示されたブースである。

 ツキノワグマが毛皮となってブースに横たわっていた。生きていたら、とても大きいであろうと分かるものだ。気になった私は、ブースの担当者の方に本物かどうかたずねてみると、うなずいた。

 私はクマの毛皮を見るのは初めて。まじまじと見てしまった。感触はとても温かく、毛皮として着用したら、寒い冬も乗り越えられる。そんなことを思った。だがそれを触っている瞬間、ブースの担当者の後ろに掲げられているメッセージに、利己的と感じた自分を大きく恥じた。

 「森を守る!」

 そして、ブースの担当者のお話にさらに心を痛めた。

 「ツキノワグマが生息する山には今の季節はエサがなく、下山しては畑の野菜を食べています。見つけては追い返すも、また下山をしてくる。繰り返しをし、行く末は、殺されるだけです。テレビやマスコミで騒いでいるのは、ほんの一部分だけです。クマが畑を荒らすには原因があり、その原因を追及しようとしない。その原因を知ることこそが、今とても大切なことなのです。クマの子どもはもっと悲惨で、食べ物がない上に、体はガリガリにやせ細っています。体が大きいイメージのクマの姿は今はそこにはありません」

 目の前にあるクマの毛皮に、クマが無言で語りかけているメッセージがあった。そしてそれに私はひどく悲しかった。

 森を守らなければどうなるのだろうか。それが目の前にあったクマの毛皮が物語っている。

 地球は人間だけのものでは決してない。そこに住むものすべてにとっての地球であるのだ。人間がしたことが人間にだけ返ってくれば、それは人間だけの責任である。だが、そうはいかないのが地球なのだ。人間がしたことがすべてに影響することを今一度知らなければならない。そしてそれは、多くの動植物を失うことでもある。

 動物に対するメッセージは、このツキノワグマだけでなかった。鳥類や海に生息する生き物、また私たちの身近な犬や猫という存在にまで影響が及んでいる。

 地球温暖化問題は先述した通り、言葉だけが1人歩きしているものではない。そこに影響を受けているものの数は計り知れない。そしてその問題は、今なお広がりを見せているのが現実である。

 人間が発端となった地球に対する問題。地球のために、私たち人類、そして動植物のために、私たちは今すぐ行動をしなければならない。

(記者:花嶋 真次)

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