記事登録
2008年04月23日(水) 00時00分

「中傷エスカレート」読売新聞

「プロフ」殺人未遂
緑地内で実況見分する捜査員(23日午前10時45分)

 携帯電話などで手軽に自己紹介ができるホームページ「プロフ」の書き込みを巡る事件が県内でも発生した。柏署に殺人未遂の疑いで現行犯逮捕された柏市の無職少年(17)は「最初は普通のやり取りだったが、中傷がしだいにエスカレートしていった」などと供述しており、ネットの安易な利用が犯罪に結び付く危険性を改めて浮き彫りにした。

 同署によると、少年は23日午前0時25分ごろ、柏市高田の公園で、流山市の中学3年男子生徒(14)を金属バットで数回殴り、殺害しようとした疑い。生徒は柏市内の病院に運ばれたが意識不明の重体となっている。少年は金属バットについて「公園に置いてあった」と供述している。

 個人のPRページとして中高生を中心に人気の「プロフ」。利用者は氏名、年齢、住所、好きな音楽などさまざまな質問に答える形で書き込み、顔写真も掲載できる。

 しかし、手軽だが問題点も多く、生徒が通う流山市の中学校でも昨年度、生徒の書き込みを巡るトラブルが発生していた。ブログやプロフを介して他校生や一般成人と知り合いになり、トラブルに発展した事例が数件あったという。

 この中学校では、すでに各学期末に保護者会を通じて指導を行ったり、教師側も閲覧(監視)する態勢をとったりして対応しているが、校長は「ほとんどの生徒がネットを利用しており、利用するなとは言えない」と話す。また県教委でも昨年から4回、各市町村教委を通じ、中学高校の保護者に向けて注意を呼びかけている。

 教育評論家の尾木直樹さんは「(プロフは)思春期の子どもらの自己顕示欲を満たし、擬似的な友人関係を築くことができることから急速に広まっている。出会い系サイトのように利用されることも多く、犯罪傾向のある成人と子どもを結びつける」と指摘。「有害だからといって取り上げることは難しい。子どもたちにサイトのリスクを理解させることが重要。法的には運営業者にペナルティーを課すことなどが対策として挙げられる」と話している。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/chiba/news/20080423-OYT8T00168.htm