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2008年04月22日(火) 12時00分

1秒1200〜100万コマ撮影可能なカメラ:高速度撮影動画のいろいろWIRED VISION

フィルムカメラは、流れる時間の一瞬一瞬を個々のコマに分割し、高速で起きる出来事への新たな見識を科学者や普通の人々にもたらした。

その代表的な例が、1870年代末に持ち上がった、馬が速足で駆けるときは、4本の脚を全部同時に地面から離すのかどうかという議論だ。進取の気性に富んだ写真家のエドワード・マイブリッジ(Eadweard Muybridge)が、疾走している馬を連続撮影し、のちの映写用フィルムのようなものを作ることで、4本の脚が全部地面から離れることを証明し、議論を永久に決着させた。

このとき撮られた馬の写真をつなげてアニメーション化したものはこちらで見ることができる。[12台のスチルカメラを使って連続撮影。この連続写真を見て触発を受けたエジソンが、映写機キネトスコープを発明した。]

それから130年過ぎた現在では、1秒を2000ものコマに分けて検証することが可能になっている。その驚くべき一例が、黄色い水風船がはじける瞬間を捉えた上の動画だ[動画は、NHKやBBCなどが制作した番組『プラネットアース』の一部]。

この速度で撮影すると、水は重力によって地面に落下する前の1000分の数秒の間、その形状を保っていることが分かり、水が実際よりはるかに粘り気のある物体に見える。

さらに技術の進歩はとどまることなく、ワイアード・ブログ『Gadget Lab』が1月にお伝えしたように、1秒間に100万コマ撮影できる高速度カメラも登場している。[米Vision Research社による『Phantom V12』。ターゲットは研究者。

一方、カシオは毎秒1200コマが撮影可能な一般用カメラ『EX-F1』を今年1月のCESで発表、3月から発売している。]

ただ多くの場合、この手の映像を観ることは、眠る詩人の男性を延々と映し続けたアンディ・ウォーホルの映画『眠り』(Sleep)を観るのと同じぐらい退屈なことだろう。

ただし、銃を撃つ瞬間の映像は刺激的だ。銃の発砲や、何かが撃たれる瞬間を超スローモーションで観たいなら、こちらのサイトをお奨めする。[YouTubeには高速度撮影の動画が各種ある。以下は「居合いによる卵の試し切り」]

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『ワイアード』誌の高速度写真技術に関する記事はこちら。

[「注視領域」に焦点を合わせるソフトウェアを利用し、弾丸を追跡できる超高速カメラについての過去記事(日本語版記事)はこちら。]

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080422-00000003-wvn-sci