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2008年04月22日(火) 23時33分

<詐欺>社保庁元職員逮捕 浮いた年金、父に統合の疑い毎日新聞

 宙に浮いた他人の年金記録を父親の記録に統合し、年金約70万円を不正に受給したとして、愛知県警は22日、住所不定、元社会保険庁愛知社会保険事務局職員、服部達郎容疑者(53)を詐欺容疑で逮捕した。容疑を認めているという。

 県警捜査2課の調べでは、服部容疑者は父親と同姓同名で1歳年下の男性の厚生年金保険記録をオンライン端末で操作し、生年月日を父親と同じ日に改ざん。男性の記録を父親の記録に統合して、01年6月〜08年2月に遺族厚生年金約70万円を不正受給した疑い。消費者金融で借金を抱えていたという。

 同課によると、服部容疑者は91年1月ごろ、マイクロフィルムの記録を閲覧していて男性の厚生年金記録46カ月分が宙に浮いていることに気付き、男性の記録を父親の記録に統合する手続きをし、老齢年金の不正受給を始めた。しかし、99年2月に父親が死亡したため、今度は母親を受給者として遺族厚生年金をだまし取った。

 年金の不正受給額は計約310万円とみられるが、01年4月以前の受給分は公訴時効(7年)が成立しているため、01年6月以降の約70万円分について立件した。記録を悪用された男性は1942年6月〜46年4月の記録が厚生年金の被保険期間に含まれていなかった。男性は89年に死亡している。【桜井平、秋山信一】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080422-00000146-mai-soci