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2008年04月22日(火) 10時01分

【光市母子殺害】主文後回し、厳刑へ 差し戻し控訴審産経新聞

 山口県光市の母子殺害事件で、殺人や強姦致死などの罪に問われ、最高裁が無期懲役の2審・広島高裁判決を破棄した元会社員の男性被告(27)=事件当時(18)=の差し戻し控訴審判決公判が22日、広島高裁で開かれた。楢崎康英裁判長は主文の言い渡しを後回しにし、判決理由の朗読から始めた。厳刑が予想される。

■写真で見る■歩道まであふれた傍聴券の抽選の列

 事件発生から9年を経て4度目となる判決。戦後、最高裁が量刑不当を理由に無期懲役の2審判決を破棄した3件目の事例で、犯行時18歳だった被告に対する極刑の是非が争点だった。

 差し戻し控訴審で弁護側は、新たに実施した法医学鑑定などを根拠に、被告に殺意も強姦目的もなかったと主張。これに対し検察側は「死刑を回避するための荒唐無稽な弁解」と反論し、死刑をもって臨むほかないとしていた。

 差し戻し前の1、2審はいずれも「刑事責任は極めて重大」としながらも、被告が事件当時、死刑を科すことのできる18歳になってから30日だったことを重視し、無期懲役を選択した。これに対し検察側が上告し、最高裁は平成18年6月、「18歳になって間もないことは死刑を回避すべき決定的な事情とまではいえない」と判示。「無期懲役の量刑は甚だしく不当で、破棄しなければ著しく正義に反する」などとして審理を差し戻していた。

 上告審判決によると、被告は11年4月14日、光市の会社員、本村洋さん(32)方を排水検査を装って訪問。乱暴目的で妻の弥生さん=当時(23)=の首を両手で絞めて殺害し、長女の夕夏ちゃん=同11カ月=も首に巻いたひもを引っ張って殺害するなどした。

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「死刑」の意味

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