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2008年04月22日(火) 12時29分

<光母子殺害>死刑判決…元少年、遺族に一礼毎日新聞

 「被告人を死刑に処する」。22日正午過ぎ、広島高裁302号法廷に、楢崎康英裁判長の静かな声が響いた。99年4月に起きた山口県光市・母子殺害事件の差し戻し控訴審判決。被告席の元少年(27)はかすかに体を震わせ、傍聴席では最愛の妻子を奪われた本村洋さん(32)が遺影を抱き、何かに祈るように頭を垂れた。事件発生から9年。4度目の法廷で、司法は極刑を選択した。

 楢崎裁判長が極刑を言い渡すと、証言台に立った元少年は裁判長を向いて静かに判決を聴き、言い渡し後、裁判長や検察官、弁護団、本村さんら遺族に一礼した。

 遺族席の本村さんは身動きせずに主文を聴き、退廷する際に一瞬笑顔を見せた。

 判決理由の朗読の間、本村さんは遺影をひざに置いて、時折裁判長を見やりながら聴き入った。落ち着いた様子だったが、元少年の供述について「到底信用できない。あまりにもかけはなれている」などと厳しい指摘が続くと、大きく息を吐いた。

 一方、元少年は裁判長の厳しい指摘が続くとうつむき、弁護団はため息をついてパソコンを打ち続けた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080422-00000038-mai-soci