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2008年04月21日(月) 12時40分

閉店発表で賑わう「大阪名物くいだおれ」オーマイニュース

 先だって7月8日に閉店することが発表され、全国ニュースにもなっている大阪・道頓堀の食堂「大阪名物くいだおれ」(1949年開店)。店の前に設置された人形「くいだおれ太郎」は、同店どころか大阪のマスコットと言っても過言ではないほど、全国の人々に知られる存在だ。東京在住の記者は、くいだおれ太郎は知っているが、店に入ったことはない。閉店と聞いて、いてもたってもいられず、大阪までかけつけた。

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■地元民も店に入ったことがない?

 「あの人形は誰もが知っているが、大阪人でも、店に入ったことはない、という人がほとんど。あの人形は大阪の観光にえらく貢献したと思うが、(閉店の理由が赤字だから)最近は店にはあまり貢献してへんかったんやな」(地元のタクシー運転手)

 実際に「くいだおれ」に行ってみると、店の前は閉店を惜しんで記念写真を撮る人々でごったがえしている。取材に来ていた関西テレビが、記念撮影をしていた客にインタビューしていた。

関西テレビ 「これからの予定は?」

客 「カニ道楽でカニを食べます」

 「くいだおれ」には入らないのかよ!

 というわけで記者は、大阪で生まれ育ちながら「くいだおれ」に一度も入ったことがないという地元民のL嬢と、カニすきを食べることにした。店の入口に行列ができていたが、30分も待たずに入店できた。店の前の人だかりはすさまじいが、1〜8階までが全て同店が占めており、キャパシティーは十分。多少の行列などものともしないキャパなのだ。

■意外と上品な大衆レストラン

 「くいだおれ」は、割烹・和定食・居酒屋・洋食レストランの4種類の店舗からなる。店の前の行列はみな、3階の和定食「和食 ちゃんこ・うどんすき」目当てだ。そこが一番人気とめぼしを付けて、記者とL嬢もそこに入ることにした。

 店内でカニすき(1人前4700円)を注文。とくだん高級な味ではないが、店内は明るくこぎれい。「たまの贅沢に家族で行ってみたい店」といった感触の、まさに昭和の大衆レストランだ。ふんだんにカニを食べた後は、カニ雑炊。ほどよく腹が膨れたが、「くいだおれ」るほどではない。

 たこ焼き・ねぎ焼き・お好み焼きなど、魅力的な炭水化物系ジャンクフードが街にあふれる大阪・道頓堀。「くいだおれ太郎」がそのシンボルとも言える存在だったため、記者は「くいだおれ」を「粉モノだらけの大食い向け店か?」などと勝手に想像していただけに、少々意外だった。にわか客が軽い食事だけで帰っていくせいか、客の回転は速い。記者たちがカニすきを食べ終わる間に、両隣の席の客は全て入れ替わっていた。

 店員に「閉店のニュースで、お客さんはかなり増えているんでしょうか」と尋ねると、「正月並み」との答え。これが閉店までの3カ月も続くとなると、店員にとっては相当大変そうだ。

■どうなる「くいだおれ太郎」

 「くいだおれ太郎」を引き取りたがっている会社があるとか、店の経営を引き継ぎたいといっている会社があるなどとも報じられているが、いまのところ7月8日閉店の予定は変わりがなく、「くいだおれ太郎」のその後の行く先も確定していない。

 すっかり酔っ払ったL嬢は、

 「くいだおれ人形、道頓堀に投げ込んだらええんちゃう? 阪神優勝できひんくなるけど」

と、言いたい放題。そんなL嬢は、近日オーマイTVに登場予定。暴言吐いた分だけ、働いてもらいまっせ。

  ◇

大阪名物くいだおれ
住所:大阪市中央区道頓堀1-8-25
電話:06-6211-5300
4F〜8Fの座敷では、「たこ焼き教室」(500円)も楽しめる。しかも、たこ焼きを焼きながら「たこやき踊り」を見せてくれて、終了後には「くいだおれ太郎」の写真入り「修了証書」をもらえる。いい記念品になるかも?

(記者:藤倉 善郎)

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