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2008年04月21日(月) 10時06分

お茶の水女子大付属小 「衛生上要注意」で給食中止産経新聞

 ■厨房の衛生×、改善指導放置
 国立大学法人、お茶の水女子大の付属小学校(東京都文京区)の給食が昨年12月から中止となっていることが20日、分かった。施設内にカビが生えるなど衛生面で問題があり、区の文京保健所から約10年間、改善指導を受けていたが放置していた。同大は昨年度以降、食の心構えや栄養バランスなどを総合的に学ぶ「食育」関連の研究費を文科省から受けており、「管理責任を問われる事態を招き、おわびしたい」(三浦徹副学長)としている。
 お茶の水女子大では給食施設を抜本的に改修する方針で、給食の再開は早くても平成22年1月になる見通し。文科省と予算について近く折衝する。再開までの期間は牛乳だけ提供する「ミルク給食」も検討する。文科省は「大変残念な事態だ。速やかに態勢を整えてほしい」(専門教育課)としている。
 同大によると、昨年11月19日、同保健所から「保健衛生上、注意を要する」などと施設改修を求める文書勧告があり、12月17日以降、給食提供を中止した。温度や湿度の管理が不適正で壁や天井にカビが発生。野菜ごみが出る「汚染区域」と食物を調理する「非汚染区域」が分離していないなど、文科省の衛生管理基準や厚生労働省のマニュアルのほか、都の条例も満たしていなかった。
 同小の給食施設は昭和52年に設置。病原性大腸菌O157の社会問題化に伴い衛生基準などが厳格化。平成9〜12年に改修したが、新基準を満たせず、保健所から「給食施設として不適切」と毎年、口頭の改善指導を受けていた。
 大学の役員には報告されず現場レベルに留まっていたが、授業で栄養を指導できる栄養教諭が19年度から配置されたことで問題が表面化した。食中毒などの被害は出ていないという。
 同大は、文科省から食育プロジェクトの研究費(19年度1400万円、20年度4000万円)を交付されている。付属の幼稚園、保育園、小中高と連携。栄養教諭を配置した上で、発達段階を踏まえた食育推進プログラムを構築し、成果を発信するとの内容。同大では、プロジェクトは続けたいとしている。

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