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2008年04月20日(日) 12時01分

取り調べ可視化:仙台弁護士会、街頭署名をスタート /宮城毎日新聞

 密室での取り調べが冤罪(えんざい)を生んでいるとして、仙台弁護士会は、警察や検察による取り調べ全過程の録音・録画(可視化)を求める街頭署名活動を始めた。今夏までに県内で1万人の署名を集め、衆参両院議長に提出する予定。
 冤罪防止と刑事裁判の迅速化のため日弁連が全国の弁護士会に呼び掛けた活動の一環。全国では30万人の署名を目標にしている。
 可視化を巡っては、最高検が3月、容疑者の自白の任意性を明らかにすることなどを目的に、殺人など裁判員制度の対象となる重大事件の取り調べの一部録画・録音を今月から原則実施すると発表。また、仙台地検は既に、3月4日の強盗致傷事件の公判で、検察官による取り調べを10分間録画した映像を証拠として提出している。警察庁も今夏から警視庁や大阪府警などで一部録画・録音を試行する。
 一方、仙台弁護士会は▽捜査側に都合の良い部分だけが録画されないよう、取り調べの全過程を録画し、検証する必要がある▽すべてを録画することで、裁判員が供述の任意性を判断しやすくなる——などと主張している。
 街頭署名活動はまず16日、仙台市青葉区内で実施。斎藤択生弁護士は街頭で「密室で行われている限り、違法な取り調べはなくならない」と市民に呼びかけた。署名した同市泉区の専門学校生、後藤竜太さん(34)は「録画すると誰も隠しごとができなくなって良いと思う」と話した。今後も随時、県内各地で実施する。【比嘉洋】

4月20日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080420-00000019-mailo-l04