記事登録
2008年04月19日(土) 00時25分

樹脂製サンダルの改善要請 エスカレーター事故で経産省中国新聞

 樹脂製サンダルを履いた子どもらがエスカレーターのすき間に足の指を巻き込まれる事故が昨年六—十一月に少なくとも三十三件あったことが分かり、経済産業省は十八日、主力メーカーの米クロックス社に、サンダルの構造・材質の改善や、消費者への注意喚起を要請した。

 経産省所管の製品評価技術基盤機構(NITE)がクロックスを含む七社の製品で実験を行った結果、「樹脂製サンダルは、柔らかく伸びやすい性質から、巻き込まれる事故が起きやすい」との結果が得られ、同省が行政指導に踏み切った。

 クロックス製サンダルは二○○七年に国内で約三百九十万足販売されたヒット商品。他にも十社程度が類似品を扱い、計五百万—六百万足が販売されたとみられる。経産省は他社にも改善策を求めていく方針だ。

 NITEによると、エスカレーターでのサンダル事故は昨年六—十一月の期間に東京、神奈川など十三都府県で六十五件発生。重傷は二人、軽傷十五人で、大半が十歳以下の子どもだった。六十五件のうち樹脂製サンダルと確認できたものが三十三件と約半数を占め、不明分にも多く含まれるとみられる。

 東京都で昨年八月、サンダルがエスカレーターの側面とステップのすき間に巻き込まれ、子どもが足の指を骨折、つめがはがれる重傷を負う事故が発生。これをきっかけに経産省がNITEに原因究明を指示した。

 ただ、子どもがエスカレーターの黄色の枠の部分に立っていたことが事故を招いたケースも多く、経産省は「消費者も正しい乗り方を心掛けてほしい」としている。

 クロックスの日本支社は「現時点で販売中止は考えていないが、製品の改善は米国本社で始めており、販売店などでお客さまへの注意喚起も徹底する」と話している。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200804190125.html