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2008年04月18日(金) 16時59分

教育に関する国民負担を減らす努力をオーマイニュース

 4月12日。千葉県内にある県立高校で、「『入学金が支払われていない』という理由で、2人の新入生が入学式への出席を断られた。入学金は入学式の後で支払われ、2人はやっと入学できた」という出来事がありました。これにはとても驚きました。そして、高校の入学金や授業料の意味を考えてしまいました。

 何でもこの公立高校の校長先生は、「入学金を受理した時点で入学許可」という学校の規則を盾に、入学式への参加を断ったことを正当化していますが、一方、入学金を支払うことになるご両親の金銭的事情について、「入学式までに払えないのなら、相談してもらってよかったのに」と述べています。もしそう思うならば、入学式までに2人の両親と連絡をとるべきでした。

 本来、公立高校は、地方自治体が運営しています。公共セクターである以上、義務教育ではとることができない入学金や授業料をとることは、ある程度理解できます。また、それ自体は常識の範囲内だと思います。

 本来、公立高校の学費って私立学校よりも安いはず。それが両者の大きな違いです。

 私が、山口県内の県立の商業高校に通っていたのは、昭和の終わりから平成の始めごろでした。そのころの入学金は、あやふやな記憶ですが数万円程度だったと思います。

 今回、県立高校側が入学金として両親にいくら請求したかはわかりませんが、格差問題、国民の台所事情が厳しくなっている可能性を考えれば、2人のご両親が一時払いするには高過ぎた金額だったのかも知れません。それを考えると、高校側の対応には配慮に欠けるものがあったと思います。

 今後、支払うべき授業料には奨学金も使えるはずですし、後に、入学金が支払えることがわかっているのであれば、2人の精神面を考えて、やはり入学式に出席してもらうべきだったと思います。また、例えば、県側が入学金の分割払いを認めるなどすることで、このような出来事は避けられるようにもなるはずです。

 政府や自治体は、教育予算を増やし、両親の収入が一定基準を下回っていれば、入学金や授業料の減免制度を利用できるようにするなど、教育に関する国民負担を減らす努力をしてもいい時期に来ているのではないかと思います。

(記者:河村 崇)

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