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2008年04月18日(金) 10時21分

男性が求めるのは「かわいい女性」?〜亀山早苗コラム〜オーマイニュース

 男は弱くなり、女は強くなったと言われて久しいが、おそらくもともと女は強かったのだと思う。弱く装うことが下手になったというか、強くあったほうが潔くてかっこいい女だと世間の風潮が変わってきただけなのではないだろうか。

 それでも「女の弱さ」を天性として発揮できる女性が、やはり今でもすんなり結婚していくらしい。先日、30代の女性たち数人と話していたら、その中のひとり、ルリさん(仮名)が、

 「結婚まで考えていた男性に、ある日突然、ふられたんです」

 と言い出した。ルリさんは33歳、彼は4歳年上で、2年間つきあっていた。だが、いつごろからかわからないが、彼は二股(ふたまた)をかけており、相手の女性が妊娠。結局、ルリさんはあっけなくふられてしまったのだという。

 「彼の最後の言葉は、『おまえはひとりで生きていけるじゃん。彼女はオレがついてないとだめなんだよ』って。あまりにお決まりの文句だから、悲しいよりぼう然としてしまって。でも、共通の友だちからいろいろ聞くと、本当に『オレがついてないと』と思わせてしまう女性らしいんです。そういうのって計算じゃできないから、やはり天性のものなのかなあと思いますね」

 周りにいた女性たちも全員、深くうなずいて同調している。これは何十年たっても変わらない男と女の間の定説なのかもしれない。

 ただ、女性から見ると「弱ぶっている」女に限って強いものだし、なぜ男はそれを見抜けないのかと時には腹立ちさえ覚えることがある。

 「私、がんばって転職して外資系の会社で働いているんですけど、彼、最初は『きみみたいにがんばっている女性が好きだ』って言ってたんですよ。私みたいな女のほうが、一緒にいて楽しいって。自分の意見も言わないような女はつまんないって。それなのに、結局、選んだのは、友人によれば『あなたに会いたい』って深夜に泣いて電話してくるような女性なんですって。彼、別れたあとに電話してきて、『彼女が妊娠したから彼女を選んだわけじゃない』と言い訳したんです。何のための言い訳なのかわからないけど、その言葉を聞いてかえって傷つきました」

 やむをえず結婚したわけではなく、自分が選んだのは彼女だった、と言いたかったのか。対等な関係で、ともに歩んでいけるパートナーだと思っていたのに、彼が選んだのは、男の言いなりになっているような女。そこがルリさんの絶望的な怒りに火をつけている。

 「そういう女に限って、結婚したら鬼嫁になるんじゃないかと思うんですよ」

 過激な発言に、またも一斉に同調する女性たち。自分の人生を一番に考えて、がんばってきた女性ほど、実は損をしているのではないかと彼女たちは考え始めている。

 「そんな男と結婚しなくてよかったじゃない」というような、一昔前なら通用した慰めはもはや効かない。ほかの女性たちも似たような経験はしているし、友だちにまったく同じことがあったと断言している女性もいた。

 がんばって仕事はしているけれど、つきあっている男性がいれば、当然のように結婚も考えている。それも、「生活のための結婚」ではなく、頭の中では「ふたりで働き、協力し合って生活し、育児も家事もともに」というパートナーシップを強く求めているのが、今どきの女性たち。ただ、男たちにそこまでの意識があるかどうかがわからなくて、彼女たちはいら立っている。実際、いざ結婚となると男たちが選ぶのは、「天性のかわいさをもった女」であり、それは「男を立てる」従来の女性の役割を一身に背負った女だからだ。

 「『きみは今までの女性とは違う、一緒にいると楽しい』なんていう男の言葉は、信用しないほうがいいということなんでしょうか」

 ルリさんは深い深いため息をつき、周りの女性たちもしんみりと静まりかえってしまった。

 もちろん、女性たちすべてがどこまで強い意識でパートナーシップを求めているかはわからない。女性たちが男性に求めるものは確かに変化してきているように見える。

(記者:亀山 早苗)

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