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2008年04月18日(金) 00時00分

学校裏サイト読売新聞

服装注意の際も中傷文横浜市教委教諭の被害実態調査へ
教師に対する中傷と見られる書き込みがされた裏サイト(本文とは関係ありません)

 横浜市内の市立中学校の「学校裏サイト」で、生徒を中傷する書き込みを削除依頼した同中教諭が逆に中傷された問題で、この教諭が、生徒の服装などを注意した際にも、サイト上に「死ねばいい」などと書き込みされていたことが17日、分かった。教師にも向けられるネット上の暴力に学校側は苦慮しており、同市教委は月内に、市内の全145中学校の教員を対象とした実態調査を行う。

 市教委によると、教諭は、同中の裏サイトで中傷された生徒から相談を受けて削除依頼を送信したところ、「サイトをかぎ回っている」などと中傷された。

 市教委は2月、独自に裏サイトの調査を実施。145中学校のうち、130校で生徒が中傷されたと回答。このうち、68校が削除依頼したことがあった。

 教諭は、この調査の中で、削除依頼に対する逆被害を相談。さらに、これとは別に、生徒指導担当として生徒の喫煙や服装の乱れを注意した際にも、「キモイ」「うざい」「死ねばいい」と書き込まれていた。

 市教委の調査は、生徒に関する中傷の有無や、教諭が削除依頼をしたことがあったかどうかしか聞いておらず、これ以外の逆被害の有無などは不明。相談を受けた教諭のケースでも、書き込みが削除されたかどうかも確認していなかった。

 市教委では、「生徒に良かれと思って対応した教員が攻撃されるのは耐え難い」としており、〈1〉どのようなケースで削除依頼したか〈2〉教師がどのような中傷被害を受けたか——などを実態調査する。削除依頼する場合も、校長名で依頼するなどの方法を検討する。

 ネットいじめの相談を受ける全国webカウンセリング協議会の安川雅史理事長は、「管理者がわからない掲示板に実名で削除依頼するのは危険。先生の個人情報が調べられ、脅しや中傷被害を受ける恐れもある。削除依頼の前に、専門機関に相談するなど対応を工夫すべき」と話している。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kanagawa/news/20080418-OYT8T00097.htm