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2008年04月18日(金) 13時30分

Winny常習者はネット切断?悪質利用追放の仕組みとはR25

今なお衰えない「Winny」の悪用による違法コピー問題。何人もの逮捕者が出ているものの、今日もWinnyネットワーク上では、膨大な数の違法ファイルがやり取りされ続けている。

この状況を受け、警視庁の「総合セキュリティ対策会議」は今年3月、著作権団体やプロバイダーら関係団体による対策協議会の発足を要請した。悪質な常習ユーザーに対しては、ネット接続を停止させるなどの強硬な対応も検討されているという。

ところで、そもそもWinnyが流行した理由のひとつには、ユーザーの身元が判明しづらい“匿名性”があったはず。実際のところ、“悪質なユーザー”をどうやって特定するんだろう? Winny上の著作権侵害監視サービスを提供している会社、クロスワープの宮川雄一氏に聞いてみた。

「私どもでは、Winnyの“フリ”をする監視プログラムを24時間フル稼働させて、Winny上に流通しているファイルの名前とユーザーPCの状況をすべて記録しています。これによって、違法ファイルを公開しているPCのIPアドレスが検出できます。原理的にはIPが分かれば、プロバイダーに照会してユーザーの特定が可能です」

流通しているファイルの大半は違法モノですが…ユーザーのほとんどが特定されるわけですか?

「現実的には、日本では著作権侵害は“親告罪”なので、著作権者が被害を訴えない限り、対策はとれないんです。我々にできるのは、著作権者から依頼を受けた場合に、特定のファイルを公開しているPCのIPアドレスを報告するところまで。その後は、著作権者とプロバイダーとの間で、どんな対応をするか個別に決定しています」

IPアドレスからユーザーの氏名や住所を特定開示することは、憲法が保障する「通信の秘密」に抵触する恐れがあるため、慎重なプロバイダーが多いが…。今後、業界全体で悪質ユーザーを追放する動きが進むなら、ネット社会から締め出される人が出現するのかも?
(R25編集部)

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※コラムの内容は、フリーマガジンR25から一部抜粋したものです

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