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2008年04月18日(金) 21時09分

「駄作」「労作」…右翼系団体の活動家ら「靖国」試写会朝日新聞

 上映中止で話題の映画「靖国」をめぐり、主に右翼系団体の会員向けの試写会が18日、東京都新宿区のライブハウス「ロフトプラスワン」で開かれた。試写後、参加者らは「駄作」「労作」「靖国を理解していない」「反日とは思えない」など賛否の意見を交わした。

「靖国」の上映会終了後、感想などを話す参加者=18日、東京・新宿、小林裕幸撮影

 主催側のロフトによると、全国から活動家ら約150人が集まった。試写する機会を設けたいという右翼・民族派団体幹部らの要望や相談を受ける形で企画したという。呼びかけ人の一人、木村三浩・一水会代表は「右翼が上映を中止させたかのような間違った言われ方をされていたから」と説明した。

 2時間の試写の間、会場は静寂そのもの。国会議員らが問題視した南京事件の写真を使ったシーンでも、何の声もあがらなかった。

 試写後は、会場で活発な意見が交わされた。文化庁の公的助成に納得できず「返還を求める訴訟を起こす」という声が出ると、「我々も助成を受けて親靖国映画を作って反論すればいい」。「別になんということもない作品なのに、メディアが注目をあおった」との意見もあった。

 同血社の河原博史会長は「個人としては、日本民族に根ざした信仰心を侮辱するものを感じた」としながら、「意義ある会だった。右翼が反社会的というイメージは違う。だれもが(映画を)見もせず抗議するわけでもない。大事なのは表現者同士のガチンコ(勝負)。そういう意味では映画館が屈してしまったのは問題だと思う」と話した。

 一水会の鈴木邦男顧問は「試写会を開き、建設的な議論ができたのはいいことだ」と話した。 アサヒ・コムトップへ

http://www.asahi.com/national/update/0418/TKY200804180326.html