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2008年04月18日(金) 19時21分

経産省、米クロックス社に改善要請…樹脂製サンダルスポーツ報知

 樹脂製サンダルを履いた子どもらがエスカレーターのすき間に足の指を巻き込まれる事故が昨年6—11月に少なくとも33件あったことが分かり、経済産業省は18日、主力メーカーの米クロックス社に、サンダルの構造・材質の改善や、消費者への注意喚起を要請した。

 経産省所管の製品評価技術基盤機構(NITE)がクロックスを含む7社の製品で実験を行った結果、「樹脂製サンダルは、柔らかく伸びやすい性質から、巻き込まれる事故が起きやすい」との結果が得られ、同省が行政指導に踏み切った。

 クロックス製サンダルは2007年に国内で約390万足販売されたヒット商品。他にも10社程度が類似品を扱い、計500万—600万足が販売されたとみられる。経産省は他社にも改善策を求めていく方針だ。

 NITEによると、エスカレーターでのサンダル事故は昨年6—11月の期間に東京、神奈川など13都府県で65件発生。重傷は2人、軽傷15人で、大半が10歳以下の子どもだった。65件のうち樹脂製サンダルと確認できたものが33件と約半数を占め、不明分にも多く含まれるとみられる。

 東京都で昨年8月、サンダルがエスカレーターの側面とステップのすき間に巻き込まれ、子どもが足の指を骨折、つめがはがれる重傷を負う事故が発生。これをきっかけに経産省がNITEに原因究明を指示した。

 ただ、子どもがエスカレーターの黄色の枠の部分に立っていたことが事故を招いたケースも多く、経産省は「消費者も正しい乗り方を心掛けてほしい」としている。

 クロックスの日本支社は「現時点で販売中止は考えていないが、製品の改善は米国本社で始めており、販売店などでお客さまへの注意喚起も徹底する」と話している。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20080418-OHT1T00229.htm