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2008年04月18日(金) 16時46分

善光寺、出発点を辞退 聖火リレー チベット問題考慮産経新聞

 長野市で26日に行われる北京五輪聖火リレーで、出発式を行う予定だった善光寺の担当者は18日、市の実行委員会に対し、スタート地点を辞退すると申し入れた。市側も「尊重する」として受け入れ、ルート変更の検討を始めた。若麻績信昭(わかおみしんしょう)寺務総長は理由について「文化財や信者の安全の問題と、チベット問題を考慮した」と説明した。

 平成10年の長野五輪でも寺の鐘を合図に開幕した市の象徴的存在の善光寺が外れることになり、リレー計画は本番約1週間前に大幅な変更を迫られる。平和の祭典を祝うはずのリレーの意義は大きく揺らぐことになりそうだ。

 市の実行委の篠原邦彦事務局長は「大変衝撃を感じている。善光寺の総意としての決定を尊重する。コースを変更せざるを得ない」と述べた。実行委は善光寺の境内以外からスタートするルートの検討を始めた。

 善光寺関係者によると、チベット暴動で僧侶が弾圧されていることで、同じ仏教者として境内を式典用に提供することに反対する意見や、抗議行為による混乱を懸念する声が内部から出ていたという。

 当初の計画では、善光寺の本堂と三門の間のスペースに特設会場を造り、26日午前8時から点火式などの出発行事を行うことになっていた。境内をスタートする最初のランナーには北京五輪野球日本代表監督の星野仙一さんら著名人が予想されていた。

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