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2008年04月17日(木) 17時01分

硫化水素自殺:県内で今年17件18人 サイトで方法広まり急増 /神奈川毎日新聞

 市販洗剤などを混ぜて硫化水素を発生させる自殺が全国的に広がる中、県内でも今年に入って急増し、16日現在17件18人に達したことが県警のまとめで分かった。インターネットの自殺サイトでやり方が広まっているとみられ、専門家は「予防サイトを強化すべきだ」と提言する。
 県警によると、同様の自殺は昨年1年間では2件4人だった。今年は4カ月弱で既に8倍以上の件数が起きたことになる。17件目は、16日早朝に横浜市南区のマンション自室の浴室で、男性(27)が遺体で見つかった。洗剤と入浴剤を混ぜた形跡があり、硫化水素が検出された。
 家族が巻き添えになるケースも2件発生。昨年7月に秦野市で男性(21)が浴室で自殺した際、様子を見に行った母親(49)と兄(23)も硫化水素を吸って死亡。今年3月に鎌倉市では、車庫で自殺した長男(35)を助けようとした母親(61)も亡くなった。
 複数の自殺者のパソコンを調べたところ、自殺サイトにアクセスした形跡があった。ネット社会に詳しい神戸大大学院の森井昌克教授(情報通信工学)は「自殺サイトを消去することはできないのだから、自殺を思いとどまらせるようなサイトを強化して予防を図ることが長い目で見て効果的ではないか」と話している。【山衛守剛】

4月17日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080417-00000246-mailo-l14