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2008年04月17日(木) 03時03分

食糧問題、洞爺湖サミット主要議題に 政府方針朝日新聞

 政府は16日、コメや小麦など食糧価格が世界的に急騰していることを受け、7月の北海道洞爺湖サミットで食糧問題を主要議題として取り上げることを決めた。抗議デモや暴動で死傷者が出るなど深刻な政情不安が途上国を中心に世界規模で広がっており、G8首脳が一致した対策を打ち出す必要があると判断した。

 農水、外務など関係省が協議して決めた。来週日本で開かれるシェルパ(首脳の個人代表)の準備会合でこうした方針をG8各国に伝える方針。5月に横浜で開く第4回アフリカ開発会議(TICAD)で当面の緊急対策を打ち出したうえで、サミットではG8として価格安定に向けた国際ルール作りや食糧増産といった中長期的な対策を表明する方向で調整する。

 食糧価格は、中国・インドなど新興国の需要急増や、穀物市場への投機的資金の流入、バイオ燃料への転用拡大などを背景に急激な値上がりを続けている。世界銀行によると、主要食糧の価格は05年から8割も上昇。今年3月にはコメが19年ぶり、麦は28年ぶりの高値を付けた。

 貧困層への配給を担う国連世界食糧計画(WFP)は、調達価格の高騰のあおりで5億ドル(約500億円)の予算不足になった。国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は14日、「世界の食糧危機は緊急事態に発展した」と訴えた。主食の入手難は貧困層の生活を直撃しており、4月上旬には中米の島国ハイチで商店の略奪が続き、首相が解任される事態に発展。エジプトやカメルーンなど各地で抗議デモが起き、暴動で死傷者が出る事態が続いている。(村山祐介、南島信也)

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