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2008年04月17日(木) 14時57分

大阪地裁所長襲撃、会社員2人に2審も無罪判決読売新聞

 大阪市住吉区の路上で2004年2月、大阪地裁所長(当時)が襲われ、現金を奪われた事件で、強盗致傷罪に問われた会社員・ソウ敦史(33)、同・岡本太志(30)両被告の控訴審判決が17日、大阪高裁であった。(ソウは「曹」のタテが1本)

 片岡博裁判長は、共犯とされた当時13歳の少年(18)には、犯行時間帯のアリバイが成立する可能性があり、「2被告が犯人だと断定できない」として、無罪(いずれも求刑・懲役8年)とした1審・大阪地裁判決を支持し、検察側の控訴を棄却した。

 少年は、犯行時間帯には知人の少女と会っていたとアリバイを主張。片岡裁判長は、少女も同様の証言をし、少年から少女に送信された携帯メールの内容とも符合することから、「アリバイの成立を否定することはできない」と判断した。

 そのうえで、2被告が事件に関与したとする少年らの供述は、「アリバイと相いれず、裏付けに乏しい」と指摘した。

 少年らの供述を巡っては、06年3月の1審・大阪地裁判決が「捜査官の誘導などに迎合した結果で、信用できない」と判断したが、控訴審判決は、「不当な示唆や誘導があったとまではいえない」と一定の信用性を認めた。このほか、検察側が控訴審で再鑑定を行った犯人の映った防犯ビデオの映像については、「映像が不鮮明で、被告の犯人性を補強したり、否定したりできない」と評価した。

 小林敬・大阪高検次席検事の話「検察官の主張が受け入れられなかったことは極めて遺憾。判決内容を精査し、上級庁とも協議し、適切に対応したい」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080417-00000040-yom-soci