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2008年04月17日(木) 17時04分

【PC9821再利用大作戦】自宅サーバーノススメ(1)ツカサネット新聞

少し古いパソコンユーザーなら、かつて国民機といわれたNECの98シリーズを使っていた人は少なくないだろう。私も今も動くマシンを4台も所有している。

ハード的に寿命が来ていなければ、こうしたマシンは今も動くだろう。しかし、ハードはソフトがなければただの箱。周辺機器がなくても同様である。現在流通しているソフトや規格に対応しない以上、「現在使えるマシン」とはいえない。

その意味では、さすがに9801シリーズは「現在使える」ようにするのは厳しい。9801でてきる独自の使い方で使うしかない。が、9821シリーズについては、もしかしたら最後のひと働きをさせることはできないかと考え、いろいろなサイトを眺めてみた。

しかし、やはり難しい。改造しようにも独自仕様がネックになる。もし、使えるとしても、その最低限の条件はOSにWindows98SEを走らせることである。これがクリアすれば、おそらく現在流通するソフトの多くは使えるようになる。ただ、それでもおそらく使い勝手はかなり悪い(重い・遅い)。USBやIEEE1394も対応していない。

そんな悪条件でできることのひとつは、サーバーとして使うことであろう。

サーバーとして使う場合、考えられるのは2通り。そのひとつは、現在の使用環境にルーター経由でつないで自分の自宅や仕事場のネットワークでファイルサーバーとすることだ。ただし、PC9821シリーズはハードデイスク認識が4.3GBという壁があるので、本当に必要なファイルだけしか保存できない。

もうひとつは、自宅サーバーとして、インターネットにつないで使う方法だ。

最近では、それほどパソコンに習熟していない個人ユーザーでも、ホームページやブログを開設している人が少なくない。では、それはどこに開設するのか。一般の個人ユーザーの場合、たとえば@niftyやBIGLOBEといった、加入しているインターネット・サービスプロバイダが提供してくれるディスクスペースや、geocitiesや楽天広場など、無料で提供されるサービスを利用する場合がほとんどではないだろうか。

しかし、それらの場合、容量が限られていたり、ホームページに広告が入ってしまったり、掲示板やカウンタなど使える機能が十分でなかったり、ホームページのURLに自由がなかったりする。かといって、個人使用の場合、業者が提供するホスティングサービスを使うほどでもない。

第三者の管理ではなく、自分でサーバーを管理できれば、運用上の制限も解決するだろう。

そこで、PC9821をサーバーに使うわけだ。インターネットの接続回線が、光ファイバーやCATVインターネットといった「高速」「常時接続」のブロードバンド時代になり、回線の課題はクリアした。

問題はOSである。サーバーといえばLinuxやFreeBSDだが、本稿はWindows98SEのWebサーバーについて極めよう。本稿で前提とする環境は、

・ADSLやCATV、フレッツISDNなどを使用する「動的IP」環境のユーザー
・接続方法は、スタンドアロンでモデムに接続しても、ルーターを介してLANをくんでいてもどちらでもよい
・自分のドメインはもっていないである。

本稿がWindowsユーザー用にお勧めするサーバーソフトは、「AN HTTPD」(中田昭雄さん作)だ。LANにつながっているマシンでも外部に対してホームページの提供が可能だ。冒頭で、「最低限の条件はOSにWindows98SEを走らせること」と書いたが、このソフトはその前のバージョンであるWindows95にも対応しているので、さらに対象となるパソコンは増えるはずだ。現在、バージョン1.42pがリリースされている。

AN HTTP Server Home Page


【「AN HTTPD」のダウンロードとインストール】

1.上記サイトからダウンロードし、解凍してもよいフォルダ内にコピーする。

2.httpd.exeを起動するとサーバーソフトが立ち上がり、タスクトレイにアイコンが表示される。

3.ブラウザから、http://127.0.0.1/readme.html と入力して、ソフトの説明書が表示されればインストール成功。

httpd.exeの置いてあるフォルダに、自分で作ったindex.html ファイルなどをおき、ブラウザから「http://127.0.0.1/」とアクセスすれば、そのファイルを閲覧できる。

インストールに成功したら、httpd.exeのショートカットアイコンを作り、スタートアップメニューに入れておく。そうすれば、再起動するたびに自動的にサーバーソフトが立ち上がる。

さあ、これでインターネット上にホームページを公開できるサーバーは立ち上がった。次回は、これを外部とつなげる作業をご紹介しよう。

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(記者:顰見倣)

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