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2008年04月17日(木) 14時24分

空自イラク輸送活動、名古屋高裁が「憲法違反含む」と指摘読売新聞

 自衛隊のイラク派遣に反対する市民グループのメンバーらが国を相手取り、派遣が憲法違反であることの確認などを求めた訴訟の控訴審判決が17日、名古屋高裁であった。

 青山邦夫裁判長(高田健一裁判長代読)は、「イラク特措法が合憲であったとしても、活動地域を非戦闘地域に限定した同法に違反し、憲法9条に違反する活動を含んでいる」と述べた。そのうえで、1審・名古屋地裁判決と同様、訴えが不適法だとして、原告側の控訴を棄却した。

 訴えていたのは、自衛隊イラク派兵差止訴訟の会(池住義憲代表)のメンバーと、天木直人・元レバノン大使の計1122人。原告側は、「イラク派遣は戦争放棄を定めた憲法9条に違反するほか、憲法前文に掲げられた平和的生存権を侵害され、精神的苦痛を受けた」と主張し、派遣の差し止めと違憲確認、損害賠償を求めていた。

 判決は、現在のイラクの状況について、「多国籍軍と武装勢力との間で、国際的な武力紛争が行われている」と指摘。そのうえで、航空自衛隊の活動について、「空輸活動のうち、少なくとも多国籍軍の武装兵員を戦闘地域であるバグダッドに空輸する活動は、武力行使を行ったとの評価を受けざるを得ない」と判断した。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080417-OYT1T00502.htm?from=top