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2008年04月16日(水) 08時01分

新型インフル ワクチン事前接種、まず医療従事者ら6000人に産経新聞

 舛添要一厚労相は15日、新型インフルエンザに備えて国が備蓄しているワクチンの一部を、医療従事者や検疫担当者ら約6000人に事前に接種する方針を明らかにした。

 現在の国の計画では、ワクチンは新型の発生後に接種を始めることになっている。事前接種はインフルエンザ対策の最前線で働く人たちの基礎免疫をつけるのが目的で、従来の行動計画を転換することになる。

 厚労省によると、ワクチンの事前接種に踏み切るのは世界初。まず6000人に臨床研究の形で接種し、有効性、安全性を評価できれば、1000万人の医療従事者らに事前接種を拡大する方針。

 16日に開かれる新型インフルエンザ専門家会議に諮り、了承されれば今年度中にも実施する。舛添厚労相は専門家会議に、ワクチンの追加備蓄や早期製造体制の構築なども諮る考え。

 国が備蓄しているワクチンは、中国やインドネシアで発生している鳥インフルエンザのウイルス(H5N1型)を基に製造したもの。「プレ・パンデミックワクチン」と呼ばれ、原液状態で約2000万人分が備蓄されている。

 しかし、「発生してからの接種では遅すぎる」という指摘や、再来年には、このうち1000万人分のワクチンが有効期限の3年を迎えることから「有効活用すべき」という意見が出ていた。

 プレ・パンデミックワクチンは、実際の新型インフルエンザに対して、どこまで免疫力を持つか未知数だが、接種しない場合に比べると一定の免疫力を持つといわれている。

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