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2008年04月16日(水) 17時05分

カレーで「メタボ予防」? 専門家「スパイス効果」指摘J-CASTニュース

 メタボ(メタボリックシンドローム)にならないためには、普段何を食べたらいのか。そんな悩みを持っている人に「朗報」になりそうな研究が発表された。「カレーに入っているスパイスがメタボ予防につながる」という内容で、「あるスパイス」の血糖値低下作用が世界的に注目されているというのだ。

■「スパイスが血糖値と脂肪肝を抑制する」

 2008年4月から特定健康診査の対象となったメタボリックシンドローム。食生活を見直しに関心が集まる中、カレーに含まれているスパイスがメタボ予防に有効とする研究が08年4月16日に都内で発表された。

 「カレーに含まれるスパイス・フェヌグリークがメタボ予防につながる」と述べたのは京都大学大学院農学研究科の河田照雄教授。同教授によれば、

  「フェヌグリークは、肥満に伴う血糖値、血中性脂肪の上昇を抑制する。さらに、非常に驚いたことに、脂肪肝も抑制することが認められる」

というのだ。

 マウスを用いた実験結果では、フェヌグリークを摂取したマウスで体重の低下傾向が見られ、白色脂肪組織重量の低下傾向と肝臓重量の低下に起因することが推察されたという。さらに、血糖値や血中中性脂肪値の有意な低下も見られ、フェヌグリークはメタボ予防効果を持っていることが示されたというのである。

 また、カレーに多く含まれるターメリックは脂肪分解を促す酵素をつくりだすため、抗肥満効果があることがすでに明らかになっている。河田教授によれば、トウガラシにもこれと似た効果がある可能性もあることから、あらゆるスパイスが含まれたカレーには、メタボ予防の観点から、科学的に注目すべき食べ物ということになるのだそうだ。

 また、インド料理研究家のミラ・メータさんも「インドでは毒素をためないためにスパイスを使う」と指摘。

  「日本では病気にかかったらすぐに薬を飲むといったように考える人も多いかもしれませんが、体にすぐ入れるのではなく(インドでは)悪いもの体からを出すためにスパイスを毎日使っています」

と述べている。インドではスパイスが毒素を排出するなどの理由で、健康のために使われており、カレーは健康食として食べられてきた、というわけである。

■一日中テレビの前に座っているようではもちろんダメ

 とはいえ、当然のことながら漫然とカレーを食べていればメタボ予防につながるというわけではない。この研究発表のあとではメータさんなどが考案した「メタボ予防」になりそうなカレーレシピも公開された。

 メータさんが考案したのはやはり、フェヌグリークを使った「とうがんと豆のカレー」「ラムのカレー」。

  「フェヌグリークは苦いので、使うのは小さじ4分の1、2杯。毎日少しづつ使うのが味の面でも、健康の面でもバランスがいいです」

 メータさんは「メタボにもいいですよ」と笑顔を見せたが、一方で「日常生活が重要。一日中テレビの前に座っているようではダメです」とも。

 また、分とく山総料理長の野崎洋光さんもカレーレシピを発表。野崎さんは、「家庭料理がおいしいのは、食べ飽きない味だから。流通が発達した現代では、家庭でおいしいカレーを食べるには、煮込みすぎず、味を濃くしないのがポイント」とアドバイス。また、食べてエネルギー消費をするために噛むことがメタボ予防にも重要と指摘した。

 日本人の多くが「好物」にしているカレー。ちょっと工夫をすれば、カレーは「メタボ予防食」になる可能性がありそうだ。


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