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2008年04月16日(水) 01時00分

中国でフランス製品不買運動 聖火リレー妨害に反発朝日新聞

 【北京=峯村健司】パリで北京五輪の聖火リレーが妨害されたことなどを受け、中国で仏製品の不買運動が起きている。「05年の反日デモの再来」(中国筋)と言われるほど民族主義が高揚しており、当局は各大学にデモや集会を警戒する通達を出したり大使館の警備を強化したりするなど対策に乗り出した。

カルフール不買を呼びかける携帯メール

 中国内で112店を展開する仏大手スーパー「カルフール」での不買を呼びかけるチェーンメールが携帯電話で出回っている。「カルフールの大株主はダライ(・ラマ14世)勢力に巨額資金を提供し、大統領も北京五輪に反対している。開催3カ月前の5月8日から不買をしよう」

 大手ポータルサイトでも、ルイ・ヴィトンなど高級ブランドへの批判や「仏製から国産品に切り替えよう」との呼びかけが書き込まれている。

 北京市内のカルフール前では13日、20代の女性が「中国の主権を侵害するフランス製品をボイコットしよう」と呼びかけ、駆けつけた警官に説得されて引き揚げた。中国外務省の姜瑜副報道局長は15日の定例会見で「フランスは中国人民の声に耳を傾けるべきだ」とする一方、「市民が法律に基づき合理的な方法で意見を表明すると信じている」と自制を呼びかけた。

 サルコジ大統領が昨年11月訪中した際に3兆円規模の商談をまとめ、両国は「過去最高の関係」(中国外務省)とされた。しかし、サルコジ氏が北京五輪開会式への出席の条件として「中国とダライ・ラマ14世との対話再開」を挙げた今月8日ごろから、中国メディアがフランス批判を強めている。 アサヒ・コムトップへ

http://www.asahi.com/international/update/0416/TKY200804150349.html