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2008年04月16日(水) 11時41分

<ウイルス作成>院生に懲役2年求刑 京都地裁公判毎日新聞

 アニメ画像や同級生の写真を使ったコンピューターウイルスを作成・配布したとして、著作権法違反と名誉棄損の罪に問われた大阪電気通信大大学院生(無期停学中)、中辻正人被告(24)=大阪府泉佐野市=の論告求刑公判が16日、京都地裁(柴田厚司裁判官)であった。検察側は「コンピューターの秘匿性に基づいた悪質な犯行だ」として懲役2年を求刑。弁護側は執行猶予付きの罰金刑を求め、結審した。判決は5月16日。

 論告求刑に先立ち、検察側は、写真や住所を無断でネットに流された同級生の父親が「自宅に不審電話がかかるようになり、妻はノイローゼ寸前まで追いつめられた。引っ越しや改姓を検討した」と厳重処罰を求めていることを明らかにした。

 被告人質問で中辻被告は、ウイルス作成・配布の動機について「(ファイル交換ソフトの)ウィニーを阻止しようと思った」と述べる一方、「当初は遊び感覚だった。写真を使用した同級生が警察に通報するという話を聞いて危機感を持ち、(代わりに)アニメを使った」と述べた。

 検察側は論告で「自己顕示欲に基づき、06年ごろから繰り返しており、常習性は極めて顕著だ。模倣性も高い」と厳しく指摘した。

 これに対し弁護側は最終弁論で「軽微な事件にもかかわらず大きく報道され、社会的制裁を受けた。ウイルス感染者はウィニーの使用者に限定され、結果は重大とは言えない」と情状酌量を求めた。【熊谷豪、細谷拓海】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080416-00000038-mai-soci