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2008年04月15日(火) 19時36分

死刑執行数、中国がトップ アムネスティ発表朝日新聞

 【ロンドン=土佐茂生】国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは15日、07年に世界24カ国で少なくとも1252人の死刑が執行されたと発表した。北京五輪を前にチベット問題で批判を受ける中国が470人で最も多かったが、昨年の司法改革によって06年の1010人からは大きく減ったとしている。

 中国は昨年1月、省レベルの裁判所に委ねていた死刑の「承認権」を最高裁に一本化し、言い渡しを厳格にした。最高裁の承認を受けるまで死刑が執行されないため、数が減ったらしい。アムネスティは「死刑執行の停滞は一時的。最高裁の承認が終われば数字は増える」と分析する。

 中国は死刑に関する情報を開示していないため、実際ははるかに多いとされる。報告書は、米人権団体が約6千人と見積もることを指摘、「北京五輪の準備を進める中国に対し、死刑廃止と情報開示を求める」と警告している。

 日本は、死刑執行が9人で11番目、死刑判決が23人で13番目に多かった。今月10日、鳩山法相が4人の死刑を執行し、08年に入って10人とすでに昨年を上回った。アムネスティは「国連で昨年採択された死刑執行を停止する決議に従うべきだ」と日本を批判する声明を出している。 アサヒ・コムトップへ

http://www.asahi.com/international/update/0415/TKY200804150265.html