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2008年04月14日(月) 10時00分

引きこもりが犯罪予備軍になる恐れ日刊ゲンダイ

 引きこもりの高年齢化が顕著だ。02年から調査を続ける「全国引きこもりKHJ親の会」(会員1万4330家族)によると、平均年齢が初めて30歳を突破。30.12歳になった(07年、回答者331人)。平均年齢は5年間で3.52歳も高くなっていて、引きこもり問題が深刻化している。人口も年々増加し、推定160万人。そのうち成人が129万人を占めているという。親の会代表の奥山雅久氏はこう言う。
「全体の9割が家族と同居する依存生活なので、回答者全員が自分たちが死んだ後の子どもの生活に不安を感じている。引きこもりのきっかけは、イジメや先生の小言などささいなことが多い。優しい子、いい子ほどなりやすい。“不登校は悪くない”という風潮もある。親も強く言えず、ダラダラと時間が過ぎてドツボにはまってしまうのです。8割が男性で、40歳を過ぎたオッサンが近所の人と挨拶もできず、回覧板すら回せないほど幼児化するケースもある。気に食わないと暴れ狂う。親の心配は深刻です」
 親の高齢化も進み、平均年齢は父親が63.23歳、母親が58.28歳。暴れるわが子を押さえるのは難しい。しかも、引きこもりは5年ほどで慢性化し、いったん学校や会社などの社会に復帰しても、元の引きこもり生活に戻るケースが7〜8割に上るという。
「本人から“親が死んだらホームレスになる”という手紙が寄せられますが、なれればまだマシ。コミュニケーションを取れない彼らは餓死の恐れすらある。このところ暴発した引きこもりによる殺人事件が相次いでいますが、その裏には刑務所暮らしなら衣食住が確保できるという発想があるのです」(前出の奥山氏)
 解決法は早期に病院へ出向くしかないという。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080414-00000008-gen-ent