記事登録
2008年04月13日(日) 10時07分

「時事評論家」巡る投資トラブル、カナダ企業がウソ宣伝読売新聞

 「時事評論家」の増田俊男氏(69)を巡る投資トラブルで、総額30億円を募集しながら上場計画が頓挫しているカナダのIT企業が、「日立製作所やシャープと提携する」と虚偽の宣伝をしていたことが読売新聞の調査でわかった。

 こうした宣伝は、増田氏が主宰していた会員制投資クラブの集会などで行われていた。投資家の代理人らは、増田氏が日本のトップメーカーの名前を利用し、同社に将来性があるように装っていたとみている。

 代理人らによると、増田氏は、知人女性が社長を務める投資顧問会社「サンラ・ワールド」(東京都)を事務局とする投資クラブの会員に対し、8年前からカナダのIT企業「アリウス3D」への投資を勧誘。同社について「画期的な三次元レーザースキャン技術を開発した」「2005年度中には日本支社を設立し、日本市場に進出する」と紹介していた。

 東京や大阪のホテルに数百人を集めて開かれた集会では、アリウス社の責任者と名乗る外国人が上場計画を説明。通訳を務めた増田氏は、株価が上がる根拠として「日立製作所との提携話が進んでいる」と述べていた。さらに、投資クラブのホームページには「シャープ製のノートパソコンのデモンストレーションなどをサポートしている」「確固たる協力関係にある」と提携関係をうたっていた。

 しかし、読売新聞の取材に対し、日立製作所とシャープは、「海外の法人を含め、そうした関係は一切ない」と否定。アリウス社の日本事務所とされた場所も、知人女性の親族の投資会社と同じ住所で、実態はなく、すぐに閉鎖された。

 アリウス社の07年3月期の売上高は約360万円しかなく、投資家の代理人は「詐欺の疑いが強い」と指摘する。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080413-00000008-yom-soci