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2008年04月12日(土) 19時29分

そごうのからくり時計、15日に一斉引退 老朽化で朝日新聞

 全国の百貨店そごうの玄関先で長年親しまれてきた「からくり時計」の人形たちが、15日限りで一斉に役割を終える。20年余り前から順次設置され、現在は計10店に残るが、いずれも老朽化したためという。

15日で見納めとなるそごうのからくり時計=広島中区

 95年の阪神大震災で全壊した神戸店(神戸市中央区)では震災翌年の復興オープンの際に設置された。10店で最も新しく、縦1.6メートル、横4.9メートルの長方形。午前10時〜午後8時に計11回、正時の3分前になると文字盤が反転して世界の民族衣装をまとった人形が最大24体現れ、ディズニーを代表するアトラクション「イッツ・ア・スモールワールド」のテーマ曲に合わせユーモラスな動きをみせる。

 広島店(広島市中区)の本館正面玄関にある時計は縦横2.8メートル。待ち合わせの目印だった。現在は、「おにんぎょうさんたちは おやくそくがあって おうちにかえることになりました」というお知らせが近くに置かれ、携帯電話のカメラで撮影して名残を惜しむ人が多い。

 そごうの持ち株会社ミレニアムリテイリング(東京)によると、「世界の人形時計」と名づけ、85年から順次設置。現在は12店のうち広島、呉、横浜、千葉、神戸、徳島などの各店にある。16日以降、からくりは動かず、人形は姿をみせない。時計としての機能は当面残すという。(福家司)

http://www.asahi.com/kansai/kouiki/OSK200804120023.html