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2008年04月11日(金) 10時12分

学者もドーピング? 「集中力高める」2割が服用と英誌朝日新聞

 【ワシントン=勝田敏彦】「薬漬け」は大リーガーだけでなく学者もだった——そんなアンケート結果を、10日発行の英科学誌ネイチャーが発表した。精神を集中させるため、学者の5人に1人が、リタリンなど認識力を増強するとされる薬を服用していた。

 アンケートは今年1月、ネイチャーの読者を対象にインターネット経由で行われ、世界60カ国1400人余りの技術者・生物学者・教師らから回答があった。ただ、回答の70%は米国からだった。

 その結果、「リタリンなど3種の薬のいずれかを集中力や記憶を高める目的で使ったことがあるか」との問いに、20%が「ある」と回答。最も多く使われていたのはリタリンだった。

 79%は「健康ならこの種の薬を飲むことは許されるべきだ」。また52%は「医師の処方によって入手した」としているが、34%は「インターネット」と答えている。

 ただし、16歳未満の子どもについては86%の回答者が「この種の薬を飲ませることは制限すべきだ」と答えた。

 リタリンは、米国では注意欠陥・多動性障害(ADHD)の治療などに使われている。日本では、うつ病の治療などに使われてきたが、依存性の高さが問題になり、規制が強められている。現在の適応症は、睡眠障害のナルコレプシーに限定されている。 アサヒ・コムトップへ

http://www.asahi.com/science/update/0411/TKY200804110041.html