記事登録
2008年04月11日(金) 21時11分

「映画から削ってほしい」 「靖国」出演の刀匠が明言産経新聞

 映画「靖国 YASUKUNI」に登場する高知市の刀匠、刈谷直治さん(90)が、作品から自分の映像を削除するよう求めている問題で、刈谷さんが11日、産経新聞の取材に応じ、「上映を了承したとは一言も言っていない。出演場面と名前を映画から削ってほしい」と話した。

 刈谷さんは平成17年秋に、李纓(リ・イン)監督から、靖国刀の最後の刀匠のドキュメンタリーとして撮影したいと申し入れを受けて了承。作業場での撮影に応じた。

 昨年春ごろ、李監督が刈谷さんの自宅を訪れ、試写を実施。その結果、夫人(83)が「初めの趣旨と(内容が)全然違うので、もう1回全部やり直して」と監督に伝えた。

 「監督は“近いうちに違うもの(完成品)をもってくる”と言ったがその後は、なしのつぶて。今年の春に監督らが来たが(完成品は)持ってこんかった。利用された感じがする」と刈谷さんは話している。

 一方、10日の会見で李監督から「(刈谷さんを)変心させた」と名指しされた自民党の有村治子参院議員は11日、産経新聞社の取材に対し「国会で質問するため、伝聞ではなく直接本人の話を聞こうと、電話した。上映うんぬんについて一度も言ったことはなく、変心させる意図も働きかけも一切ない」と反論した。刈谷さんは、この電話について「出演場面を削除してほしいというようなことを(有村議員サイドに)伝えた」としている。

【関連記事】
映画「靖国」問題、騒動の背景は?
映画「靖国」監督が会見  田原総一朗氏が同席
「靖国」試写、文化庁「事前検閲ではない」 映像演劇労組連に反論
「靖国」上映中止 「内容を見て正しく議論を」
「靖国」十数館が上映へ 新たに希望する所も

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080411-00000948-san-pol